今回は,管理人がオフショアジギングで使用しているベイトリール「15ソルティガ15(ベイトキャスティングモデル)」を紹介します。
目次
耐久性の高さが売りのハイエンドモデル
概要
ダイワのベイトジギングリール「ソルティガZ」の後継機として2015年に発売された本機種。
オフショアジギングで求められるリール性能は,荒い使い方をしてもビクともしない高い「耐久性」と,大型魚との安定したファイトを可能にする「ドラグ性能」,なめらかな巻き心地と強力な巻き上げ力を発揮するための「回転性能」の3点だと思います。
本機種は,それぞれのリール性能をダイワ独自の最新技術で高めたハイエンドモデルとして世の中に送り出されました。
ソルティガのベイトリールが気になってはいるものの,実際の使用感や耐久性はどうなのかなと思っていませんか?
私としてはジギングリールはこれしかないと思えるくらい絶対的な信頼を寄せていますので,気合を入れて紹介していきます。
それでは,気になるスペックを見てみましょう。
スペック
巻取長 | 80 | (cm) |
ギヤ比 | 5.1 | |
標準自重 | 405 | (g) |
最大ドラグ力 | 9 | (kg) |
巻糸量(PE) | 1-800, 1.5-600 | (号-m) |
2-500, 2.5-400 | ||
3-300 | ||
ハンドル長 | 75-85 | (mm) |
ベアリング (ボール/ローラー) |
8/1 | (個) |
価格 | 44,400 | (円) |
自重,ドラグ力,巻糸量,ベアリング数のどれを見てもオフショアジギングのメインターゲットである,青物御三家(ブリ・カンパチ・ヒラマサ)に対応出来るだけのスペックを有しています。
発売当時のライバル機種である2011年にシマノから発売され,大ヒットした11オシアジガーと比較しても遜色なく,後発品ということもありオシアジガーを意識した価格設定も好印象です。
シマノから2017年に発売されたNEWオシアジガーの価格は11オシアジガーに比べ若干値上げしたので,更に価格差は広がりました。
次は,スペック表には現れないこのリールに使用されたダイワ独自の技術について紹介します。
機能と仕様
マグシールドボールベアリング
「長く使える丈夫な性能」というのは、ダイワがリール開発における不変のテーマである。これを突き詰め、ダイワが2010年に生み出したテクノロジーが「マグシールド」。ソルトウォーターシーンで使用するリールにおいて、購入時の滑らかな回転性能を維持するということは、リールを開発していくなかで常に目指してきた課題であった。ソルトウォーターで使用するモデルは回転部分への海水による塩の侵入があるため、快適に使い続けることがメンテナンスなくしては難しかった。それを解決するためにダイワはマグオイルという磁気に反応する素材を使用し、海水や異物の侵入を避けたい部分にマグネットを配してマグオイルで膜を作る技術を生み出した。これにより高い回転性能を維持しつつ防水、防塵を可能にした。
ベイトリールの構造上、スプールとボディの隙間から海水の浸入は避けられず、最も塩ガミの影響を受けてしまうのがピニオンギヤ部のボールベアリング。このパーツにマグシールドの技術を適用して誕生したのが「マグシールドボールベアリング」。これにより回転性能を損なわず、メンテナンス不要のボールベアリングをダイワが世界で初めて誕生させた。ここにボールベアリングの回転低下問題に終止符がうたれた。“TOUGH&POWERFUL”のコンセプトにふさわしい耐久性を備えたソルティガは、ブリやヒラマサ・良型マダイ、そしてさらなるジギングターゲットにますます活躍するだろう。
メーカーが謳う効果がどこまであるかは分かりませんが,少なくとも2016年1月に購入した本機種を定期的に使用してきた2018年11月の時点において,メンテナンスフリーで使用していますが,回転性能が購入時と比べて落ちたと感じたことはありません。
また,プラシーボ効果という可能性もありますが,3年弱使い続けて何本もブリを釣り上げているこのリールの回転性能が落ちていないのは驚異的な耐久性と言わざるを得ません。
ちなみに「マグシールドボールベアリング」が使われていることを意識して購入時から検証を行っている訳ではありませんので,あくまで個人の感想として捉えて下さい。
もしリールの回転性能が悪くなったと感じれば,オーバーホールをして別途ベアリングを購入して交換すれば,巻き心地は元に戻りますので,ベアリングはあくまでも消耗品として割り切ることも大切ですよ。
交換用のベアリングを購入するならヘッジホッグスタジオがオススメですよ。
ATD(オートマチックドラグシステム)
魚の引きに合わせてスムーズに作動し、滑らかに効き続ける新世代のドラグシステム。ソルティガベイトリールのATDは、設定したドラグ値がファイト中に低下しにくいセッティングを施したもの。ソルティガベイトリールは、大型魚とのドラグをフルに使ったファイトが想定される。しかし長時間のドラグを効かせたファイトではドラグ値が低下することがある。そこでドラグ値の低下が少ない独自のセッティングを施すことで、ドラグ値を気にすることなくファイトに集中できる。またドラグ引き出しクリック付きのため、音が出ることでラインの放出やそのスピードが瞬時に判断でき、それに応じたファイトを展開することが可能となる。
ダイワが独自に開発したといわれる「ATD(オートマチックドラグシステム)」は,ドラググリスの仕様を変更したことによって性能が向上したということですね。
個人的にはドラグが出にくくなったというか,粘り強くなったという印象でしょうか。
このリールを使った魚とのやり取りの中で,これまでにドラグが原因でラインブレイクをしたことがなく,魚との安定したファイトを実現してくれているATDのドラグ性能には満足しています。
ちなみにATD用のグリスを単独で購入することは出来ませんので,自分でメンテナンスすることが出来ない仕様となっており,オーバーホールを依頼しなければいけません。
以下のサイトでATDのドラグワッシャーを購入出来ますのでオススメします。
スプールロック機能
ボディ側面のレバーをONにすることで、スプールの回転を止める「スプールロック」機能を搭載。これは今までのベイトリールでユーザーからの要望が非常に多かった機能である。ジギングにおいて根掛かりをしてなかなか外れないとき、最終的にはラインを出さないようにして無理やり外さなくてはならない状況がある。そんな時にベイトリールはその構造からスプールを指で押さえてラインを出さないようにするが、これが時として困難である。そこでスプールロック機能が活躍。瞬時にスプールを固定して対応でき、根掛かりによりスムーズに対処できるようになった。
シマノのジギングリールにあって,ダイワのジギングリールになかった機能,それがこのスプールロックでしょう。
それでもようやくシマノに追いついただけなのですが,ジギングにおいて根掛かりは当然起こり得ることなので,あると非常に便利な機能の1つですね。
ただし,管理人は根掛かり時にはロッドとリールの負荷を考えてこの機能はあえて使わず,ラインブレイカーを使って根掛かりを解消する割合が高いため,使用する割合は少ないですがあると非常に便利です。
大口径ハイパーデジギヤ
歯面の形状をデジタル解析により根本的に見直し、ピニオンとの理想の噛み合わせを実現。ミクロの誤差をも許さない製法が生み出したハイパーデジギヤが滑らかかつパワフルな巻き上げを可能にする。
冒頭でも取り上げた,なめらかな巻き心地と強力な巻き上げ力を発揮するための「回転性能」が,この技術から生まれているようです。
普段のシルキーな巻き心地に不満は全くなく,大型魚をかけた時でも強力な巻き上げ力によって魚を寄せることが出来ます。
ダイワのHPから引用した際,この技術に対する文字数があまりにも少なく,あまり脚光を浴びることはないのかもしれませんので,「縁の下の力持ち」といったところでしょうか。
スプール簡単交換
ラフな使用下でもゆるみにくい六角ビスによる3点支持構造。不意の高切れにも対応できるよう、簡単にスプールが交換できる構造を実現。ボディカバー側のビス3本を外すとボディカバーが取り外せる。
これは,非常に嬉しい機構ですね。
さらに通常のプラスドライバーであれば交換用スプールを簡単に交換することが出来たのですが,六角ビスにしたことで専用のドライバーが必要になったのは少し痛いですね。
ジギング船に乗れば高切れが起きることも想定されますので,替えスプールと六角ドライバーを持っていけばその場で不意のトラブルに対応することが出来ます。
また,対象魚に合わせてPEラインを巻き変えるのが面倒な人にとって,自宅にラインの号数に応じて何個かストックしておけば,その都度スプールを交換して釣りへ行くのにも便利な機能だと思います。
EVA大型ラウンドノブ
ノーマルタイプは濡れた手でも滑りにくくしっかり握り込めるEVA大型ラウンドノブ(パワーライトLノブ)を搭載。
管理人が最も嬉しい仕様だったのが,このEVAグリップですね。シマノのオシアジガーにはない,独自の仕様で最も手に馴染む大きさのハンドルノブでした。
仕様のハンドルノブが気に入らない人は自分でカスタマイズしてしまうので,あまりメーカーが力を入れていない部分ではありますが,標準装備でしっくりくるハンドルノブはありがたいです。
純正のハンドルノブが気に入らない場合や,スローピッチジャーク用のリールにも使いたい場合は,以下のような社外品を使用する人は多いですね。
実釣を通しての感想
やはりオフショアジギングの対象魚といえば,ブリやヒラマサ,カンパチといった大型の青物ではないでしょうか。
私が行った釣行の中で使用したリールの感想を紹介します。
青物ジギング
直近で使用した釣行は,2018年11月にオフショアジギングでブリやサワラを釣ったときです。
その時の釣行記はこちら
巻き心地は滑らかでドラグもスムーズに出ていき,オフショアジギングをしていてもギアやリールに不安はありません。
やはり大型青物用に設計されただけのことはあり,大型の青物をかけたときのやり取りは本当に疲れますが安心してやりとりが出来てかなり楽しいですよ。
このときの釣果は,5.2kgまでのブリを2本,ワラサ(メジロ)サイズを3本,サワラ2本,タチウオが14本と本当によく釣れました。
また,1月のオフショアジギングでも使用しており,2018年1月のサワラ祭り&ブリ祭りだったオフショアジギングです。
そのときの釣行記はこちら。
ここでは,ブリサイズの青物をバラしてしまい,釣れたのはワラサ(メジロ)サイズとサワラ,シーバスだけでした。
それでも十分なお土産を確保しましたので,ソルティガは大活躍しましたよ。
サワラジギング
2017年の夏には,サワラ狙いのオフショアジギングで活躍しました。
その時の釣行記はこちら。
このときもサワラにラインが切られることなく,十分なリール性能を発揮していました。
感想
150g前後のメタルジグを1日中激しくシャクリ,5kgオーバーのブリを掛けても全く不安なく釣り上げることが出来る本機種は,「耐久性」「ドラグ性能」「回転性能」どれをとっても一級品に間違いありません。
しかし,管理人は10kgを超える青物御三家(ブリ・カンパチ・ヒラマサ)を釣り上げたことがないので,限界までこのリールの性能を引き出したことはありませんが,釣り上げるだけのポテンシャルを秘めているでしょう。
本機種を使用して10kgオーバーの魚が釣れたときは,また情報を更新していきます。
また,この手のリールで皆さんが気になっていることの1つに,「レベルワインダーがないリールは糸が偏るんじゃないの?」という疑問や心配があると思います。確かに偏りますが実釣に影響ありませんので心配いりません。
気になるようでしたら,ライン回収時に均一になるよう指で調整すれば済む話です。それよりも大型魚がかかったときに巻き上げる時や,ドラグを出された時にレベルワインダーにあたってラインが痛むほうがよほど心配です。
それでも使いたくない場合は,スピニングリールを使用すると良いでしょう。
合わせて使用したいロッド
15ソルティガ15(ベイトキャスティングモデル)と合わせて使用して欲しいロッドは,「シマノ 14グラップラー B634」です。
そのタックルインプレッションはこちら。
大型の青物を釣り上げるための十分な性能をもっており,実売価格2万円前後のロッドとしては,破格の性能ではないでしょうか。
まさにハイコストパフォーマンスロッドといえるこちらをオススメします。
釣行動画
15ソルティガ15(ベイトキャスティングモデル)を使ったヒットシーンや釣り方は,こちらの動画で紹介していますので是非ご覧下さい。
まとめ
- オフショアジギングリールのハイエンドモデルにふさわしい性能
- 防水,防塵を可能にした新技術の搭載
- スプールロック機能やスプール簡単交換等,助かる機能を新たに搭載
- ライバルメーカーを意識した価格設定
- 実釣でも大活躍中
いかがでしたか?
実売価格3万円台後半と決して安くはない本機種ですが,本格的にオフショアジギングを始めてみたくなった方にはぜひオススメしたいリールです。
また,そこまでの金額を出せない方は,無理をして購入する必要はなく,下位の機種を購入して1回でも多く釣りに出掛けることで,オフショアジギングの楽しさを満喫してもらった方が有意義な釣りライフを送れると思います。
リールを購入したものの,釣りへ行くお金がないのでは元も子もないですからね。
また,ライトジギングから始めたいという方にはエントリーモデルの「グラップラーBB」をオススメしますので,是非そちらを検討してみて下さい。
3kgほどのサワラを釣った実績がありますので,真鯛やタチウオがメインならこれで十分なスペックを有しています。
大型青物狙いのオフショアジギングを始めたいけど,どれを選べばいいのか分からない方やソルティガのベイトリールを使用している人の評価や使用感はどうなのかな?という方には是非このリールで始めることをオススメしますよ。
この記事を参考にしてぜひ青物を釣りましょう!!
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