今回は皆さんがあまり意識していないかもしれない,1回釣りに行くことでいったいどれくらいの釣行費用がかかるか,概算で計算してみました。
目次
想定した釣り人の条件
今回,釣行費用を計算する条件にした人は,私がオフショアジギングで比較的良く見かける条件の男性です。
- 40代男性
- 釣りは週末のみで月に2~3回程度
- 年間釣行回数は30回前後
- オフショアジギングの乗合船を主に利用している
- 釣り道具を一式所有し買い換え頻度は約3年
- 自家用車は大型のミニバンを所有
- 駐車場を月極契約している
- 釣り場まで片道100km
- 高速道路を利用
釣りはかなり高級な趣味だった
釣り経費の内訳
皆さんが意識している釣りの経費と言えば釣り道具代や釣行費用,ガソリン代や高速代くらいではないでしょうか?
実はそれだけとは限らないんですよ。
それでは釣りにかかる費用の内訳としてどのような項目があるでしょうか?
項目は以下のとおりです。
- 釣り道具代
- 交通費
- 釣行費
- 食費
- 人件費
それぞれの項目を順番に説明していきます。
釣り道具代
まずは皆さんがいつも気にかけている釣り道具代ですね。
釣り道具代にはタックルの購入費用,ウェアなどの購入費用といった一度買うとしばらく使用出来る固定費から,針や仕掛け,エサ,ルアー等のような毎回使用する度に消費していく消耗品の購入費用に分けられます。
この中でも釣り人によってかける金額に差ができやすいタックルの購入費用については,非常に高価なタックルを所有している方から,安価なタックルで済ませている方までいますよね。
タックル
一概には言えませんが,例えばロッド4万円,リール4万円,ライン1万円の合計金額が9万円の比較的高級なタックルを所有している方をモデルにして計算してみましょう。
年間釣行回数が月に2~3回程度の方であれば,年間釣行回数は30回前後になります。
また,購入してから3年間で新しいタックルが欲しくなり,次のタックルに買い換えた場合,そのタックルは3年間で90回使用したことになります。
9万円を90回で割ると,このタックルは1回あたり1,000円で使用していることになります。
かなり高級なタックルを使用していても100回使えば1回あたりは1,000円を切るので,そこまで節約するポイントではないことが良く分かりますね。
タックル以外の固定費
また,タックル以外にも,ライフジャケット,レインウェア,長靴,偏光レンズ,収納ケース,クーラーボックス等,
しっかりとしたものを購入した場合,
- ライフジャケット(自動膨張式) 2万円
- レインウェア(GORE-TEX製) 2万円
- 長靴 5千円
- 偏光レンズ(タレックス製) 2万円
- 収納ケース 5千円
- クーラーボックス(60L) 2万円
- ペンチやハサミ等の小物類 1万円
合計金額は10万円程かかります。
それらを年間釣行回数30回で5年間150回しっかりと使用した場合,1回あたり約670円で使用していることになります。
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こちらも1回あたりのコストは意外と安上がりですね。
消耗品
ルアー釣りの場合は,針やルアー等の消耗品代は最初に数万円程購入し,なくなったら補充するスタイルの方が多いと思いますが,ついつい新製品のルアーを買い足していくと,年間で3万円程度は購入している方が多いのではないでしょうか。
オフショアジギングでは,1個1,000円するメタルジグを色違いで同じく30個以上所有している方が多いですよね。
特に1個3,000円程するタングステン製のTGベイトをサワラのラインカッターでロストすると泣けてきます(笑)
ちなみにエギングでは,エギを色違いで30個以上所有している方が多く,毎回2~3個ロストすれば3,000円程消費したことになります。
バスフィッシングに至っては,ルアーだけでなく,ワームも数種類を色違いで所有し,タックルケースの中だけで10万円を超えている人も少なくありません。
その場合1回あたりに換算すると,1,000円~5,000円程度かかっていることになります。
概ね平均すると1回あたりのルアー代としては3,000円くらいが相場ではないでしょうか。
ちなみにエサ釣りの場合は,針や仕掛け,ハリスを準備する必要があります。
1個あたりの値段は安く,300~700円くらいですが,1種類だけでなく予備も含めれば3個以上は準備して行きますので,1回あたりにすると仕掛け代だけで1,000円くらいでしょうか。
また,エサ代は種類にもよりますが,サビキ釣りならアミエビを1時間あたり1kgくらい消費するので8kgくらい,天秤フカセ釣りならオキアミを6kgくらい消費しますので,1回あたりのエサ代は約600円~4,000円程度かかります。
つまり1回あたりの金額は,1000円~5,000円程度かかっていることになります。
平均するとルアーと同じく3,000円くらいが相場ではないでしょうか。
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ルアー釣りもエサ釣りもそこまで金額に違いはありませんよ。
合計金額
タックル 1,000円
タックル以外の固定費 670円
消耗品 3,000円
全てを合計すると,1回あたりの釣り道具代は4,670円かかっています。
結局消耗品代がほとんどですね。
消耗品をいかに安くすることが出来るかで全体の釣行費用を抑えることに繋がります。
少しでも釣り道具代を節約したい人は,通販サイトを利用することをオススメします。
私の場合は,釣り道具やウェア等全般的な通販サイトでしたら,アウトドア&スポーツ ナチュラムやAmazonや楽天市場を利用していますね。
また,リールのメンテナンスやカスタムパーツといったものを探すなら,ヘッジホッグスタジオを利用したりもします。
だいたい上記のサイトで欲しい物は揃ってしまいますが,もし取り扱ってなければ,別の通販サイトを探せばいくらでも出てきますし,店舗へ足を運ぶ必要もなく,24時間通販サイトは稼働しており,いつでも注文することが出来ますので便利な世の中になりましたよね。
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また,使わなくなったロッドやリールは,フリマアプリのメルカリを利用して売却した方が新しくタックルに新調するときの原資になるのでオススメします。
間違っても中古釣具店で売却すると買い叩かれてしますよ。
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また,中古釣具を買って少しでも釣り道具代を安くしたいときにオススメしたいのが,メルカリで過去に取引された釣り道具の価格相場をオークファンで調べてから取引するという手法です。
中古釣具店よりも安く釣り道具が手に入れるために必ず利用して欲しいサイトのひとつですね。
メールアドレスを入力すれば無料で会員登録できるので,試しに過去の取引価格を検索してみることをオススメします。
公式サイトはこちら
交通費
次に交通費です。
一般的に釣り人は,自分の釣り道具を運ぶため,また深夜の移動が多いため,自家用車での移動を選択することが多いです。
ここで多くの方が思うことは,ガソリン代と高速代くらいで済んでいるので安く思っているかもしれませんが,実はそうではありません。
自家用車を所有している方は,その2つに加え維持費も交通費に含めなければ正確な費用が計算出来ません。
維持費
自家用車の維持費は,
- 自家用車の購入費用
- 駐車場代
- 自動車保険
- 自動車税
- 車検費用
- 消耗品の交換費用等
を走行距離で割ることで算出出来ます。
釣り人で多く見かけるのは,ノアやヴォクシー,セレナ,エルグランド,アルファード,ヴェルファイアといった大型のミニバンやハイエースですよね。
自家用車を300万円で購入し,年間走行距離1万kmで10年間乗り続けた場合の維持費を計算します。
項目毎の計算
購入費用は,10年で300万円を割ると1年あたり30万円です。
駐車場代は,全国の駐車料金比較サイトを調べたところ,全国平均で月極8,000円と出ましたので,年間10万円で計算します。
ただし,駐車場代は地域によって様々ですので,3,000円のところもあれば20,000円を超えるところもありますのでこれもあくまで一例として考えて下さい。
もちろん持ち家の方であれば都心でもない限り,敷地内に駐車している方が多いですので駐車場代の心配いりませんよね。
自動車保険(任意保険)は,比較サイトで調べたところ,40代男性の目安として5~10万円と出ましたので,間をとって年間7万円で計算します。
自動車保険は保険会社や種類,年齢,加入年数によって金額が異なりますので,これもあくまで一例として考えて下さい。
また,任意保険が高いからといって加入しないのは論外ですが,今の保険に満足していない方は乗り換えをオススメします。
今の自動車保険料が高いと思う方はネットで無料の自動車保険一括見積もりサービスを利用すれば十分安くなる余地がありますので,任意保険を見直してみてはいかがでしょうか?
以下のサイトから無料で見積もりが出来ますよ。
自動車税は排気量によって金額が変わり,年間10,000~65,000円と幅が大きいですね。
今回は,大型ミニバンで多い排気量2,000ccの4.5万円として計算します。
車検費用は,どこをどれだけ直すかや,年数によっても消耗品の交換費用が変わってきます。
今回は新車で購入して2回目の車検として,何のトラブルもなかったため最低限の車検をおこない,2年間で10万円で済んだという想定にします。
よって,年間5万円で計算します。
その他の消耗品としてタイヤの交換費用やオイル代,その他諸々の費用が発生します。
タイヤは5年で交換するとして,夏タイヤと冬タイヤの合計20万円,オイル交換費用が年間1万円,JAF会員の年会費といったその他諸々の費用が年間1万円で計算すると年間6万円ですね。
実は意外と皆さんが加入されていないのがJAF会員です。
深夜の運転や釣りの帰りは疲れや寝不足から事故を起こす確率が上がります。
車のトラブルで余計な出費や嫌な思い出は残さないようJAF会員への入会を強くオススメします。
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維持費の合計金額
以上のことから,自家用車の年間維持費は,
- 自家用車の購入費用 30万円
- 駐車場代 10万円
- 自動車保険 7万円
- 自動車税 4.5万円
- 車検費用 5万円
- 消耗品の交換費用等 6万円
合計金額62.5万円です。
年間走行距離1万kmですので,1kmあたりの維持費は62.5円です。
つまり釣り場へ片道100km,往復で200kmの移動を自家用車でした場合,12,500円の維持費がかかります。
ガソリン代と高速代
さらにガソリン代と高速代を計算すると,
ガソリン代は,走行距離と燃費,1リットルあたりのガソリン代で計算できます。
大型ミニバンの燃費は10km/Lで計算します。
また,高速道路代は,NEXCOのHPに利用料金の計算根拠があり,
150円 + 1km × 24.6円 × 消費税
で計算されているようです。
ただし,釣りへ行くときは,休日の深夜に走行しますので,割引料金が適用されます。
よって,釣り場まで往復200kmの道のりで,そのうち160kmを高速道路で走った場合は,
200km走行 × 10km/L × 140円/L = 1回あたり 2,800円
高速道路利用料 150円 + 80km区間 × 24.6円 × 消費税 × 休日夜間割引 = 1600円×往復利用 3,200円
合計で6,000円が1回の釣りにおける移動でかかります。
交通費の合計金額
ここまで長い計算でしたが,ようやく自家用車の交通費を計算することが出来ました。
釣り場まで往復200kmの道のりで,そのうち160kmを高速道路で走った場合,
- 維持費 12,500円
- ガソリン代と高速代 6,000円
つまり1回の釣りにかかる交通費は18,500円かかっています。
こうして計算するといかに自家用車の維持費が高いということが実感出来ますね。
もちろん自家用車を中古車にすれば購入費用を抑えられますし,自動車保険料を見直せば維持費を安くすることが出来ますので,あくまで一つの目安くらいに留めて下さい。
釣行費
今回は,乗合船のジギングに行った場合の乗合船料金である1万円で計算します。
ちなみに釣行費といえば,乗合船代,レンタルボート代,磯渡しの渡船代,カセや筏の利用料,釣り堀等の管理釣り場での遊漁料,遊漁券代等ですね。
私の周辺地域では,乗合船代であれば1回あたり8,000~13,000円が相場です。
レンタルボート代であれば,1回あたり1,500~5,000円が相場です。
磯渡しの渡船代であれば,1回あたり3,000~5,000円が相場です。
カセや筏の利用料であれば,1回あたり3,500~6,000円が相場です。
釣り堀等の管理釣り場での遊漁料であれば,1回あたり10,000円が相場です。
遊漁券代は分かりません。
地域によって料金の相場が違いますのであくまで一つの目安くらいに留めて下さい。
食費
これは簡単に計算出来ますね。
深夜に出かけた場合,開いているお店と言えばコンビニです。
朝と昼のご飯を全てコンビニで済ませた場合,おにぎりやサンドイッチ,パンに加えて,お茶やスポーツドリンクをあわせて購入すると約1,000円で済みますね。
釣りが終わったら現地のお店で何か食べるとすれば,もう少しかかりますが…
人件費
最後に人件費です。
なんのこと?と思うかもしれませんが、自分自身の人件費を考えたことはありますか?
釣り人には年収1,000万円を超える高所得者の方から,親の扶養に入るため年収100万円以下のアルバイト代で生活する学生の方まで,様々ですので釣りにかかる人件費を一概には言えません。
日本人の平均時給単価
そこで,日本人が平均でいくらの時給で働いていることになるか調べてみました。
国税庁の「平成28年分民間給与実態統計調査結果」によると,日本人の平均給与総額は約420万円だそうです。(ちなみに平均年齢46歳)
また,一般社団法人 日本経済団体連合会の「2017 年労働時間等実態調査」によると,日本人の平均年間総労働時間は約2,000時間とのことです。
それらを割り時給単価を計算すると,日本人の40代男性における平均時給単価は約2,100円ということが分かりますね。
ただし,一方は国が出したデータですし,もう一方は民間団体が出したデータですので,
基準が異なるため同じ指標として計算することが正しいことではなく,正確な値というわけではありませんので,あくまで目安として考えて下さい。
余暇に何かをする場合は,この単価を目安にコスパが良いかどうか考えてみるのも悪くありませんね。
釣りにおける人件費
つまり,1日釣りに行って帰ってくるまでの時間を計算すれば釣りにおける人件費が計算出来るわけです。
例えば,
前日に2時間程度の釣行準備をし,
早朝3時に出発して朝は6時釣行開始,
昼の2時に納竿して夕方5時に帰宅,
とすれば,2時間の準備と8時間の釣行,6時間の移動時間で合計16時間が1回あたりの釣行時間と計算することが出来ます。
これを,個人事業主として,16時間全てを人件費として計算すると,33,600円かかっていることになります。
ただし,時給2,100円というデータは,国税庁と経団連から頂いているデータですので,会社に雇用された労働者(ビジネスマン)の人件費として計算した方が良さそうですよね。
そこで,これをビジネスマンが仕事で「現地で釣りによる海洋調査を行う」という出張として考えた場合,前日準備と移動時間は勤務時間に含まれませんので,8時間が勤務時間として計算出来ますね。
(そんな出張があるかは別として…)
つまり時給2,100円の方であれば,16,600円の人件費がかかっているわけです。
かなり強引な計算ですが,趣味にも自分の時間給を計算しても良いだろうという思いから計上しました。
1回の釣りでかかる費用の合計
長くなりましたが,全て合計すると1回の釣りにかかる費用が分かります。
- 釣り道具 4,670円
- 交通費 18,500円
- 釣行費 10,000円
- 食費 1,000円
- 人件費 16,600円
合計 50,770円です。
いかがでしょうか?
1回あたり5万円もの費用がかかっていたことに驚いたのではないでしょうか?
釣りはやはり非常に高価な趣味といえますね。
仮に乗合船ではなく,岸からのバス釣りやエギング,ショアジギングといった釣りだったとしても,同じ条件なら釣行費1万円が減るだけで,4万円は必要ということです。
1回あたりこれだけの費用がかかっていることを自覚すれば,何も釣れずに帰ってくることが,どれだけの損失を生み出しているかがよく分かりますね。
ちなみに自分の人件費は必要ありませんし,本当に毎回必要な費用は,釣り道具の消耗品代とガソリン代,高速代,釣行費,食費だけですので,19,000円程度です。
岸から釣りをする方は消耗品代と食事代,ガス代,高速代で9,000円程度でしょうね。
こうやっていろいろ考えなければ見かけ上の釣行費用って安く済んでますよ。
逆に考えると目に見えない費用が3万円もあるということです。
節約出来る箇所はたくさんあるので,釣り道具代や自動車の維持費等,少しでも費用を見直してみて下さい。
釣りはいかに楽しめるかが重要
釣りは1回あたり5万円もかかる高価な趣味だということが分かって頂けたと思いますが,別に辞めた方が良いといいたいわけではありません。
趣味とは,損得勘定にとらわれず人生に彩りを添えるスパイスのような存在です。
釣れた時に,魚とのファイトや釣り上げた瞬間の高揚感がそれまでに費やした費用を上回れば良いんです。
釣れなくても悔しいと思える経験や次に繋がるために考えることが自分にとってプラスだと思えるなら良いんです。
要は釣りにかかる費用を上回るだけの経験や,満足感を得られたと思えることが重要だと思います。
まとめ
- 釣りは高価な趣味に間違いない
- 節約出来る箇所はたくさんある
- いかに楽しめるかが重要
世の中には趣味に出来る楽しいことがたくさんある中で,皆さんが釣りに求めていることや価値観は様々です。
あくまで釣りは楽しむための手段であって目的やゴールではありません。
この記事で釣りが高価な趣味であることを認識した上で,改めて自分の中で釣りがどんな存在か考え直すきっかけになれば良いなと思います。
また,今一度釣りにかかる費用を見直して少しでも節約して長く遊べる趣味に出来ることをオススメします。
最後に釣りはいかに楽しめるかが重要ですので皆さんも釣りを楽しんで下さいね。
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