皆さんこんにちは。
おんきちです。
まだまだ最高気温が10℃未満の厳しい寒さが続いていますが,当地では1月下旬くらいから気温が上がっていくみたいです。
そろそろ春の芽吹きに向けて肥料について考える時期がやってきました。
そこで今回は,私が考えた2021年のブルーベリー施肥計画について紹介します。
目次
ブルーベリー栽培に肥料は必要
ブルーベリー栽培を始めるにあたって,1年間の施肥計画はシーズン初めに必ず考えておく必要があります。
肥料成分がない土壌では成長しない
肥料がなくてもブルーベリーは育つといった意見を見受けられますが,栽培地に肥料成分が豊富に含まれている場合に限られますので,私は基本的に肥料は必要だと考えています。
これは私の経験ですが,肥料成分がない痩せた土壌の庭に定植して,3年間肥料をほとんどあげなかった結果,ブルーベリーは全く成長しませんでした。
しっかりとした施肥計画を立てると大きく育つ
しっかりとした施肥計画を作って実行すると,ブルーベリーはそれだけ期待に応えてくれます。
上記の状態からしっかりとした施肥計画を立てて,2年かけて成長させた結果がこちらです。
大きく育っていますね。
肥料がブルーベリーの成長にとって必要か分かっていただけたかと思います。
ブルーベリーに施肥するときの注意点
ブルーベリーに施肥するときは,与える時期と量,肥料の種類に気をつける必要があります。
樹齢によって施す量を変えるとともに,肥料の種類も変えていきましょう。
どのような肥料を選べば良いか,肥料の成分や種類,時期に関する基本的な情報は以下の記事で紹介していますので,興味のある方はぜひ読んでくださいね。
【ブルーベリー栽培】肥料の選び方についての基本的な考え方
それでは2021年の施肥計画を紹介します。
施肥計画
2020年までは成長を優先した施肥計画に加え,有機質肥料と速攻性化成肥料,緩効性化成肥料の3種類に分類される肥料を使って,成長の比較をしました。
その結果最も成長した肥料の組み合わせを2021年ではすべての品種で試し,収穫をメインとした施肥計画に切り替えていきます。
施肥計画一覧
2021年のそれぞれの品種について,施肥計画一覧は以下のとおりです。
ラビットアイ系
品種 | 樹齢 | 2月中旬(元肥) | 6月上旬(追肥) | 8月中~下旬(礼肥) | 合計チッ素成分量 |
ホームベル(地植え) | 10年生 | 油かす 200g(N=10g) | IB化成 50g(N=5g) | IB化成 50g(N=5g) | N=20g |
ブライトウェル | 4年生 | 油かす 80g(N=4g) | IB化成 30g(N=3g) | IB化成 30g(N=3g) | N=10g |
クレイワー | 3年生 | 油かす 80g(N=4g) | IB化成 20g(N=2g) | IB化成 20g(N=2g) | N=8g |
タイタン | 3年生 | 油かす 80g(N=4g) | IB化成 20g(N=2g) | IB化成 20g(N=2g) | N=8g |
ノーザンハイブッシュ系
品種 | 樹齢 | 2月中旬(元肥) | 5月中旬(追肥) | 7月中~下旬(礼肥) | 合計チッ素成分量 |
接木スパルタン | 4年生 | 油かす 80g(N=4g) | IB化成 30g(N=3g) | IB化成 30g(N=3g) | N=10g |
接木チャンドラー | 4年生 | 油かす 80g(N=4g) | IB化成 30g(N=3g) | IB化成 30g(N=3g) | N=10g |
サザンハイブッシュ系
品種 | 樹齢 | 2月中旬(元肥) | 5月中旬(追肥) | 7月中~下旬(礼肥) | 合計チッ素成分量 |
接木オニール | 4年生 | 油かす 80g(N=4g) | IB化成 30g(N=3g) | IB化成 30g(N=3g) | N=10g |
接木ミスティ | 4年生 | 油かす 80g(N=4g) | IB化成 30g(N=3g) | IB化成 30g(N=3g) | N=10g |
フロリダスター | 4年生 | 油かす 80g(N=4g) | IB化成 30g(N=3g) | IB化成 30g(N=3g) | N=10g |
フリッカー | 4年生 | 油かす 80g(N=4g) | IB化成 30g(N=3g) | IB化成 30g(N=3g) | N=10g |
プリマドンナ | 4年生 | 油かす 80g(N=4g) | IB化成 30g(N=3g) | IB化成 30g(N=3g) | N=10g |
スノーチェイサー | 3年生 | 油かす 80g(N=4g) | IB化成 20g(N=2g) | IB化成 20g(N=2g) | N=8g |
それでは順番に説明していきます。
ブルーベリーに必要な肥料の量
まずは,ブルーベリーが1年間に必要とする肥料の量についてです。
地植えのホームベルに必要な年間チッ素成分量は約15~25g
成木である地植えのホームベルが1年間に必要なチッ素成分量は,約15~25gという記述が栽培本にありましたので,それを目安に施肥計画を立てました。
N:P:K=10:10:10 の肥料であれば,最大でも1年間で約340gの肥料で十分だということですね。
今回は,年間チッ素成分量を20gとしました。
鉢植え栽培の4年生苗に必要な年間チッ素成分量は約6~12g
次に,鉢植え栽培の4年生苗が1年間に必要なチッ素成分量は,約6~12gという記述が栽培本にありましたので,それを目安に施肥計画を立てました。
N:P:K=10:10:10 の肥料であれば,最大でも1年間で約120gの肥料で十分だということですね。
今回は,年間チッ素成分量を10gとしました。
鉢植え栽培の3年生苗に必要な年間チッ素成分量は約4~8g
最後に,鉢植え栽培の3年生苗が1年間に必要なチッ素成分量は,約4~8gという記述が栽培本にありましたので,それを目安に施肥計画を立てました。
N:P:K=10:10:10 の肥料であれば,最大でも1年間で約80gの肥料で十分だということですね。
今回は,年間チッ素成分量を8gとしました。
年間チッ素成分量が決まったら3分割する
ブルーベリーにとって,肥料が必要な時期は3つです。
3月の萌芽期(元肥)と,収穫前の果実肥大期(追肥),収穫後の回復期(お礼肥)です。
適切な時期に適量の肥料を施すことで十分な成長が期待できますね。
元肥では年間のチッ素成分量のうち40~50%を与える
3月の暖かくなって休眠状態があけて花芽や葉芽が活動し始める萌芽期に,年間のチッ素成分量のうち,半分程度となる40~50%を与えます。
そして元気に成長してくれることを祈りましょう。
追肥とお礼肥は残りを半分ずつ与える
5月または6月の果実肥大期に,新梢の伸長や果実の肥大を促進するために20~30%与えます。
そして7月または8月の収穫後に,結実によって弱った樹勢を回復させるために,最後の20~30%を与えればブルーベリーの施肥は終了です。
最後に,私の施肥計画において肥料の種類を変えている理由について紹介します。
2月中旬に元肥として油かすを施肥する
2月中旬に元肥として有機質肥料である油かすを施肥します。
有機質肥料とは生物由来を原料とした肥料
有機質肥料とは,動物性の廃棄物や,農業からの植物性廃棄物といった生物由来を原料とした肥料のことです。
人糞や馬糞,鶏糞などは古くから肥料として利用されていますね。
代表的な有機質肥料といえば油かす
ブルーベリーに与える有機質肥料としては,油かすやバットグアノ,草木灰といったものが代表的です。
また,有機質肥料を組み合わせてペレット状にしたブルーベリー専用の肥料というのも市販されています。
プロトリーフから販売されている「ブルーベリーの肥料」がそれです。
有機質肥料は効き始めるまで時間が必要
有機質肥料は,微生物によって分解されてから肥料が効き始めますので,施肥してから効果があらわれるまで時間が必要です。
よって,萌芽とともにゆっくりと肥料が効いていくよう元肥として利用します。
これらは養分を供給するだけでなく,土壌の物理性も改善するといった特徴がありますので,土を入れ替えることが出来ない庭植え栽培では必要な肥料といえます。
追肥とお礼肥はIB化成肥料を施肥する
5月中旬と6月上旬に追肥として緩効性化成肥料であるIB化成肥料を施肥します。
また,収穫後の7月中~下旬,8月上~中旬以降にお礼肥としても施肥します。
緩効性化成肥料とは効果が持続する化成肥料
緩効性化成肥料とは,鉱物から精製・製造されたもの,工業的に合成された無機肥料のうち,与えたときから肥料効果があらわれるものの,ある程度の期間効果が持続する肥料のことをいいます。
反対に速攻性化成肥料というものがあり,効果は1週間程度と非常に早く肥料成分が溶け出してしまいます。
また,緩効性肥料は表面を被覆した肥料と緩効性の成分を使用した肥料の大きく二つのタイプに分類されます。
表面を被覆した肥料
表面を被覆した肥料は,水溶性の化成肥料を一度に溶け出さないよう,表面を樹脂などで覆われており,「被覆複合肥料」と呼ばれています。
樹脂の厚さによって溶出期間をコントロールすることができるため,肥料成分はバランスよく溶け出します。
ブルーベリーに与える被覆複合肥料としては,IB化成肥料が代表的な肥料です。
緩効性の成分を使用した肥料
緩効性の成分を使用した肥料は,無機質のク溶性や不溶性原料,水溶性原料をミックスした肥料などです。
どの成分も同じように効くのではなく,特定の成分だけが緩効性になっている肥料もあります。
ブルーベリーに与えるク溶性の化成肥料としては,ハイポネックス「マグァンプK中粒」が代表的な肥料です。
緩効性化成肥料は元肥と追肥のどちらでも利用出来る
緩効性化成肥料は,灌水などで溶け出せばすぐに肥料が効き始めますので,施肥してから効果があらわれるまで時間が必要ありません。
さらに,植物に吸収されたり,灌水時に流失しますが,ゆっくりと成分が溶けるように設計されているため,肥料の持続期間は1ヶ月以上と長いです。
よって,萌芽とともにゆっくりと肥料が効いていくよう元肥として利用出来ますし,新梢の伸長や果実肥大を促進することが目的の追肥や,結実によって弱った樹勢を速やかに回復させることが目的のお礼肥としても利用できるため,非常に汎用性が高い肥料といえます。
肥料のベストミックスが重要
以上のとおり,ブルーベリーに施肥するときは,与える時期と量,肥料の種類に気をつけて1年間の施肥計画を考える必要があります。
有機栽培を意識しすぎるあまり,有機質肥料だけを与えていてもすぐに肥効が現れず必要な時期を逃してしまったり,期待どおりに成長してくれるとは限りません。
有機質肥料,緩効性化成肥料の特性をしっかりと把握したうえで,肥料のベストミックスを考えていくことが重要だと私は考えています。
まとめ
ブルーベリー栽培において,私の施肥計画について紹介しましたがいかがでしたか?
2021年は上記の計画で施肥をして,品種間の果実品質を比較してみようと思います。
また,ブルーベリー栽培に関しては,いろいろな肥料を試されている方がいますが,私はなるべく簡単に手に入り,安価な肥料で大きく育ち,美味しいブルーベリーが収穫出来ればいいというスタンスです。
その中で,有機質肥料や速攻性化成肥料,緩効性化成肥料などを組み合わせて,1年間の施肥計画を立てて最も上手く成長する方法を探しています。
皆さんもブルーベリー栽培を楽しんで下さい。
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