皆さんこんにちは。
おんきちです。
今回は2019年10月に2年生苗として購入したブルーベリーのタイタンが無事成長して3年生苗となり,2020年11月から始まる2021年シーズンはどう成長していったかを紹介します。
目次
タイタンはラビットアイブルーベリーで極大の果実という特徴がある
タイタンは,アメリカのジョージア大学が育種したラビットアイブルーベリーです。
ラビットアイ系統は初めてブルーベリー栽培を始めようとしている人にオススメ
ラビットアイ系統のブルーベリーは,樹勢が良いため成長が早く,収穫量が多いというメリットがあり,ホームセンターで販売されている品種も多いため,ブルーベリー栽培を始めようと思っている方にオススメしやすい系統です。
更にラビットアイ系統の中でも御三家と呼ばれる代表的な品種があり,
- ホームベル
- ウッダード
- ティフブルー
この3品種だと言われています。
ですので,ブルーベリー栽培を始める方がラビットアイ系統ならこの中から選べば大体間違いないということになりますね。
しかし,ラビットアイ系統は果実が小さくて種が多いため食感が悪く生食に向かず,ジャム等の加工用に向いているという扱いをされています。
そんな弱点を克服するために品種改良されたのが今回紹介するタイタンです。
タイタンはラビットアイ系統の弱点を克服した最新品種
その最大の特徴は,果実が非常に大きいことです。
他にもタイタンの苗木としての特徴は,
- 樹勢が非常に良い
- 収穫量が多い
ということが挙げられます。
また,果実品質の特徴はというと,
- 大粒
- 硬い
- 風味が良い
の3点が挙げられますね。
このように素晴らしい特徴を持つラビットアイ系統の最新品種ですので,発表されてから8年が経ちますが,日本国内では愛好家から非常に人気で未だに入手が難しい品種の一つです。
大関ナーセリーからの評価
日本国内での苗木販売元である「大関ナーセリー」のホームページから引用すると,
成熟期 極晩生・前期 7月上旬~下旬 樹姿 低温要求量 500~550時間 直立性 樹勢はたいへん良い 他家受粉 果実 大粒~ジャンボ 果形は扁円形 濃い青色 たいへん硬い (雨による裂果があります) 収穫量 たいへん多い 成木1樹で約10kg 【 ジョージア大学 日本総代理店契約品種 Exclusive License 】
登録品種 登録番号 第26119号◆ジョージア大学の育成。2012年発表。
「T460」と「FL80-11」との交配。アメリカパテント(米国特許)品種 PP24135◆ラビットアイブルーベリー
東北南部から四国、九州までの、寒冷地を除く地域に向きます。◆特長
“ジョージア大学の研究者 NeSmith博士によって育種された品種「タイタン」は、通常のラビットアイブルーベリーの平均の2~4倍サイズの果実を付けます”「タイタン」の大きな特長は、ほとんどの果実が、大粒~ジャンボサイズです。
樹勢が強く、収穫量もたいへん多い。風味も良く、硬さはきわだって良く、パリっとした食感で果皮も 残りません。また、ラビットアイ特有の種のザラザラ感もまったくありません。ラビットアイ最有望品種!
完全に色づくまでに多少時間が掛かります。引用元:大関ナーセリー「タイタン(Titan)」
ということで,成木1樹で約10kgの収穫量があるのにも関わらず,果実のほとんどが大粒~ジャンボサイズとラビットアイ系統を育てるのであれば抑えておきたい品種ですね。
また,「大関ナーセリー」のホームページにも記載されているとおり,タイタンは2013年3月1日に日本国内で品種の出願申請をし,2017年7月18日に品種登録をされています。(登録番号 26119)
よって,日本国内では種苗法によって守られている品種でもあるわけですね。
その期間は,申請者次第ですが最大で30年ですので,2047年7月17日までです。
品種登録情報によるタイタンの特徴
農林水産省品種登録ホームページからも引用すると,
登録品種の植物体の特性の概要 樹勢はかなり強、樹の大きさは大、樹姿は立、前年枝の色は赤黄、前年枝の長さは中、前年枝の節間長は中、葉の長さは長、葉の幅はやや広、葉の長さ/幅は中、葉の形は長円、葉の先端部の形は中、葉の表面の色は緑、葉の表面の緑色の濃淡(葉が緑色の品種に限る)は中、葉の周縁の型は鋸歯縁、花芽のアントシアニン着色の強弱は中、花序の長さは長、花冠の形はつぼ、花冠の色は淡緑白、花筒の大きさは中、花筒のアントシアニン着色の強弱は極弱、花筒の稜の有無は有、果房の着生密度は中、未熟果の緑色の濃淡はやや淡、果実の大きさは極大、果実の縦断面の形は扁円、果柄痕の大きさは小、がくあの形は円、がく片の向きは水平、がく片の反り方は内曲、がくあの直径は中、がくあの深さは浅、果粉の程度は強、果皮の色は濃青、果実の硬さは極硬、果肉の色は淡紫、糖度は中、酸度は中、着果習性は前年枝のみ、裂果性は多、ほう芽期は中、前年枝の開花始期は中、前年枝の果実の成熟期はやや晩、収穫期間は中である。 出願品種「タイタン」は、対照品種「Climax」と比較して、樹姿が立であること、葉の先端部の形が中であること、果実の大きさが極大であること等で区別性が認められる。対照品種「Tifblue」と比較して、果実の大きさが極大であること、果皮の色が濃青であること等で区別性が認められる。
ということで,やはり果実の大きさが極大であることが最大の特徴であると言えますね。
調べた結果,私も育ててみたいと思い注文しようと試みましたが,大人気の品種であるため常に在庫切れの状態が続き,なかなか購入する機会がありませんでした。
しかし,粘り強く「大関ナーセリー」のホームページをチェックしていたら,タイミング良く2019年10月に注文することができて,ようやく入手することが出来ました。
2019年10月に購入したタイタンの2年生苗が届く
2019年10月,「大関ナーセリー」からタイタンの2年生苗木が届きました。
タイタンは12㎝ポット仕立てで届き,苗木としては2019年の日照不足もあってやや小さい印象でしたが,根はしっかりと張っていたため,心配はいりませんでした。
2020年の栽培記録
タイタンの2年生苗が届いてから,2019年10月から2020年10月までの1年間育てた時の栽培記録は,以下の記事で紹介しています。
2年生苗ブルーベリーのタイタンが1年間でどう成長していったか記録しました
2020年シーズンは2019年の栽培時に他品種で分かった課題を踏まえた栽培計画を立てており,タイタン自体の樹勢の強さもあって12cmポットから45cmナーセリーポットに植え替えできるまでに成長してくれました。
そして,2020年10月に成長が止まりタイタンが3年生苗となりましたので,2年生苗として2020年シーズンの栽培記録はここまでとし,2020年11月以降は2021年シーズンとしました。
2021年シーズンの栽培計画
2021年シーズンの施肥計画を作りましたので紹介するとともに,タイタン(3年生)がどのくらいの収穫量を見込んでいるのか,どれくらい成長することを期待しているのか紹介しますね。
施肥計画
2020年は成長を優先した施肥計画に加え,有機質肥料と速攻性化成肥料,緩効性化成肥料の3種類に分類される肥料を使って,他の品種とともに成長の比較をしました。
その結果,最も成長した肥料の組み合わせを2021年ではすべての品種で試し,収穫をメインとした施肥計画に切り替えていきます。
2021年シーズンにおけるタイタンの施肥計画は以下のとおりです。
品種 | 樹齢 | 2月中旬(元肥) | 6月上旬(追肥) | 8月中~下旬(礼肥) | 合計チッ素成分量 |
タイタン | 3年生 | 油かす 80g(N=4g) | IB化成 20g(N=2g) | IB化成 20g(N=2g) | N=8g |
予想収穫量
次に,私が予想した2021年シーズンの予想収穫量は以下のとおりです。
系統 |
品種 | 樹齢 | 花芽の数 | 花芽1個あたりの収穫量 | 予想収穫量(✕80%) |
RE | タイタン | 3年生 | 46個 | 30g | 1,104g |
なお,タイタンの花芽の数は12月の剪定後に残っている状態のままカウントしており,2月の剪定で花芽の数を30個程度に調整する予定です。
よって,予想収穫量は720g程度になると予想しています。
成長予想
2021年シーズンにおけるタイタンの成長を予想すると,720g程度の収穫を見込んでいるものの,樹勢は衰えることはなく,樹高は2mを超え,樹冠も直径2m程度まで成長すると見込んでいます。
2020年11月-2021年10月の栽培記録
さて,ここからは2021年シーズンの栽培記録です。
2020年11月は一部で紅葉が始まる
ブルーベリーの様子
2020年11月21日,タイタンは一部の枝で紅葉が始まっているだけで,まだまだ緑がたくさん残っていました。
完全に紅葉するのはホームベル,ブライトウェルと同じく12月になってからですね。
タイタンの樹勢は強く,2020年の萌芽前である3月時点では3本の枝だけでしたが,ここまで成長しました。
左側の紅葉が進んでいる枝と右側に伸びている枝の2本を主軸として剪定をしていき,味見程度に花芽も残して成長を促し,2021年を飛躍の年にしたいですね。
紅葉している枝に注目してみると,葉の色は鮮やかな色調の赤でした。
鮮紅色といったところでしょうか。
サザンハイブッシュ系統に多い色で,紅葉が綺麗な品種ですね。
既に花芽の分化は進んでおり,ラビットアイ系統の中では早い方でした。
来年はタイタンの果実品質を調べられるよう大切に育てたいと思います。
11月の管理内容
11月の栽培管理は,植え替えと水やりです。
10月に植え替え済み
タイタンは10月で植え替え済みですので,当月は特に作業することはありませんでした。
無事に10号スリット鉢から45Φナーセリーポットに鉢増し出来たので,成長は順調そのものです。
自動潅水機の電池交換をした
鉢植えの品種を写真撮影をしていたときに、鉢が軽いなと思っていたら、なんと自動潅水機であるタカギの「かんたん水やりタイマー」が電池切れを起こしていました。
前回記録した10月16日以降のいつから電池が切れていたのか分かりませんが、幸いにも水の需要が少ない紅葉の時期だったため、自然の降雨だけでもブルーベリーたちは枯れていませんでした。
2019年2月に購入してから初めての電池交換ですので、電池の寿命は1年8ヶ月くらいですね。
次回から余裕をもって1年半くらいで交換しようと思います。
2020年12月は休眠が始まっていた
ブルーベリーの様子
2020年12月25日,タイタンは,11月の時点から紅葉が進んでおり,すべての葉が紅葉していました。
左右の勢いが良い枝の2本を主軸枝として剪定をしていき,味見程度に花芽も残して成長を促し,来年を飛躍の年にしたいですね。
結果枝に注目してみると,ラビットアイ系らしく花芽がたくさんついていました。
既に花芽の分化は進んでおり,ラビットアイ系統の中では早い方でした。
そのまま結実させればそれなりの収穫量は期待できますが,剪定では切り返し剪定を主体として,味見程度に少しだけ花芽を残していく予定です。
来年はタイタンの果実品質を調べられるよう大切に育てたいと思います。
12月の管理内容
株元をきれいに掃除した
冬は病害虫の発生自体はありませんが,紅葉が終わった後の落ち葉がある場合,落ち葉と鉢土の間に潜んでいる場合があります。
そうなると病原菌や害虫が越冬してしまいますので,株元は常にきれいにしておく必要があり,落ち葉が残っている場合は掃除をしましょう。
我が家の庭では,庭植えのホームベルと鉢植えの接木ミスティを除く3系統10品種では,すでに一部が落葉しており,ご覧のとおり落ち葉がたくさんありましたので,株元の掃除をしました。
農薬のマシン油乳剤を散布した
カイガラムシ類を見つけましたので農薬としてマシン油乳剤を散布しました。
また,散布しているとシャクトリムシも発見しましたので試しにマシン油乳剤をかけてみたら駆除することができましたので効果があるようです。
12月の作業内容
2020年12月29日に冬の剪定をした
2020年12月29日,タイタンの全体の様子はこちらです。
紅葉が終わり既に落葉が始まっていますね。
左右の勢いが良い枝の2本を主軸枝として剪定をしていき大きく成長させる予定です。
結果枝に注目してみると,不要な細い枝が少なく剪定に苦労しないですね。
また,主軸枝候補の先端からたくさんの花芽が葉の根元から見えていました。
収穫を優先させれば,数本の結果枝でたくさんのブルーベリーを収穫できそうです。
今回は成長を優先させるため,葉芽まで切り返し剪定していく必要がありますので主軸枝候補の枝にある花芽はすべて落としますが…
剪定後の様子は以下のとおりです。
左側の主軸枝を剪定したことで,かなりすっきりとしましたね。
これで翌シーズンに根元からのシュートが発生すれば期待どおりとなります。
近づいて上から撮影してみると,中心から上にかなりスペースが生まれました。
写真の下側に元気なシュートが発生すると翌シーズンの目標はほぼ達成したといっても良いでしょうね。
45cmナーセリーポットから枝葉がはみ出る程成長してくれると来年はさらに剪定しがいのある樹になるので,大切に育てたいと思います。
残った主軸枝の数,枝の数,花芽の数
今回の剪定で主軸枝の数,枝の数,花芽の数は以下のとおりです。
- 主軸枝…3本
- 結果枝…12本
- 花芽…46個
約50個程度の花芽を残していますが,味見程度とするには少し多いですので,2月の剪定で花芽の数を30個程度に調整したいと思います。
まとめ
ブルーベリーのタイタン(3年生)の2020年11月から現在までの最新の成長記録を紹介しましたが,いかがでしたか?
これまでの作業内容と,管理内容,栽培方針など気になる点は大体理解出来たかと思います。
2021年10月までは記事を更新していく予定です。
この記事を読んでみて,タイタンを育ててみようと思って貰えたら幸いです。
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