皆さんこんにちは。
おんきちです。
今回は2019年に2年生苗として購入したブルーベリーのブライトウェルが無事成長して4年生苗となり,2020年11月から始まる2021年シーズンはどう成長していったかを紹介します。
目次
ブライトウェルの特徴は甘くて風味が良くて収穫量が多い
ブライトウェルは,アメリカのジョージア州沿岸平原試験場とアメリカ連邦農務省が共同で育種したラビットアイブルーベリーです。
ラビットアイ系は初めてブルーベリー栽培を始めようとしている人にオススメ
ラビットアイ系のブルーベリーは,樹勢が良いため成長が早く,収穫量が多いというメリットがあり,ホームセンターで販売されている品種も多いため,ブルーベリー栽培を始めようと思っている方にオススメしやすい系統です。
更にラビットアイ系統の中でも御三家と呼ばれる代表的な品種があり,
- ホームベル
- ウッダード
- ティフブルー
この3品種だと言われています。
ですので,ブルーベリー栽培を始める方がラビットアイ系統ならこの中から選べば大体間違いないということになりますね。
しかし,ラビットアイ系統は果実が小さくて種が多いため食感が悪く生食に向かず,ジャム等の加工用に向いているという扱いをされています。
ブライトウェルはラビットアイ系の王道品種
そして,その御三家のうちの1つ,「ティフブルー」との交配で品種改良されているのが今回紹介するブライトウェルです。
実はかなり古い品種で1981年に発表されているため既に40年程が経過しており,ラビットアイ系統を育てるのであれば,真っ先に候補としてあがるほど有名かつ王道の品種です。
そんなブライトウェルの苗木としての特徴は,
- 樹勢が良い
- 収穫量が多い
という2点が挙げられます。
また,果実品質の特徴はというと,
- 中粒
- 甘い
- 風味が良い
- 生食でもジャム等の加工にしても良い
の4点が挙げられますね。
ブライトウェルは世の中に多く出回っている品種ですので,もしかしたら最新品種と比べると魅力を感じない特徴かもしれません。
しかし,最新品種であるタイタンやクレイワーのようなラビットアイ系統で,大粒果実が収穫出来るような愛好家から大人気の品種が出てくる2010年代以前までは,ブライトウェルがかなり優良品種として扱われており,今では一般的な品種という地位に上り詰めたという意味では評価されているということでもありますね。
大関ナーセリーからの評価
日本国内での苗木販売会社である「大関ナーセリー」のホームページから引用すると,
成熟期 極晩生・前期 7月上旬~8月上旬 樹姿 低温要求量は350~400時間 直立性 樹勢は旺盛 果実 中粒 果形は扁円形~円形 果皮は明青色 果柄痕は小さく乾く 風味は良好 収穫量 多い ◆ジョージア州沿岸平原試験場とアメリカ連邦農務省との共同育成。1981年に発表。
「ティフブルー」と「メンデイト」との交配。<< 甘味が強く、風味が非常によい >>
◆ラビットアイブルーベリー
東北南部から四国、九州までの、寒冷地を除く地域に向きます。栽培のポイント
・酸性土壌(pH4.5~5.2)を好みます。
・酸度未調整のピートモス等を少し混ぜて、土壌改良をしてから植え付けてください。
・自家受粉はしませんので、異なる品種をお近くに植え付けてください。
ということで,一般的な品種という認識になっており,これといって一押しの品種という評価ではないようで,記載内容も少ないですね。
また,ブライトウェルはアメリカパテント(米国特許)品種でもなければ,日本国内の種苗法による登録品種でもない,一般品種です。
ということもあって,近所のホームセンターでも探せば大抵販売されているため入手しやすいというのも特徴ですね。
ブライトウェルの2年生苗は簡単に入手出来た
私自身は2012年にブルーベリー栽培を始めた当初もブライトウェルをホームセンターで購入して育てていましたが,残念ながらコガネムシ類の幼虫に根を食害されてしまった結果,枯らしてしまった苦い思い出のある品種です。
再度のチャレンジというわけではありませんが,ブライトウェルの果実は個人的に気に入っていますので,古い品種ですが購入しようと思いました。
2012年当時,利用したのは近所のホームセンターで売れ残っていて安売りしていた苗木でしたが,今回は苗木屋から購入しようと思い,2019年2月に「大関ナーセリー」のオンラインストアを覗いてみたところ,時期が悪かったため売り切れとなっており,代わりにYahooショッピングに出店している「苗木部 花ひろばオンライン 」で在庫ありとなっていたので,購入することにしました。
すぐに注文したところ,問題なく届きました。
2019年2月に購入したブライトウェルの2年生苗が届く
2019年2月,「苗木部 花ひろばオンライン 」からブライトウェルの2年生苗木が届きました。
ブライトウェルは15㎝ポット仕立てで届き,苗木としては十分なサイズで送られてきており,根もしっかりと張っていました。
おそらくですが,2017年3月に挿し木をしたものを2018年10月に2年生苗として出荷していた苗の残りを2019年2月に購入しているはずですので,2019年3月以降は3年生苗となるはずです。
2019年の栽培記録
ブライトウェルの2年生苗が届いてから,2019年2月から2020年2月までの1年間育てた時の栽培記録は,以下の記事で紹介しています。
2年生苗ブルーベリーのブライトウェルが1年間でどう成長していったか記録しました
2年生~3年生苗だった2019年栽培記録では課題も多かったので,どこで失敗したかの参考になるかもしれませんね。
2020年の栽培記録
更にブライトウェルが3年生苗となり,2020年2月から2020年10月までの1シーズン育てた時の栽培記録は,以下の記事で紹介しています。
3年生苗ブルーベリーのブライトウェルが1年間でどう成長していったか記録しました
2020年シーズンは2019年の時に分かった課題を踏まえた栽培計画ですので,ブライトウェルが非常に大きく成長してくれました。
そして,2020年10月に成長が止まりブライトウェルが4年生苗となりましたので,3年生苗として2020年シーズンの栽培記録はここまでとし,2020年11月以降は2021年シーズンとしました。
2021年シーズンの栽培計画
2021年シーズンの施肥計画を作りましたので紹介するとともに,ブライトウェル(4年生)がどのくらいの収穫量を見込んでいるのか,どれくらい成長することを期待しているのか紹介しますね。
施肥計画
2020年までは成長を優先した施肥計画に加え,有機質肥料と速攻性化成肥料,緩効性化成肥料の3種類に分類される肥料を使って,成長の比較をしました。
その結果最も成長した肥料の組み合わせを2021年ではすべての品種で試し,収穫をメインとした施肥計画に切り替えていきます。
2021年シーズンにおけるブライトウェルの施肥計画は以下のとおりです。
品種 | 樹齢 | 2月中旬(元肥) | 6月上旬(追肥) | 8月中~下旬(礼肥) | 合計チッ素成分量 |
ブライトウェル | 4年生 | 油かす 80g(N=4g) | IB化成 30g(N=3g) | IB化成 30g(N=3g) | N=10g |
予想収穫量
私が予想した2021年シーズンの予想収穫量は以下のとおりです。
系統 |
品種 | 樹齢 | 花芽の数 | 花芽1個あたりの収穫量 | 予想収穫量(✕80%) |
RE | ブライトウェル | 4年生 | 213個 | 12g | 2,045g |
なお,ブライトウェルの花芽の数は12月の剪定後に残っている状態のままカウントしており,2月の剪定で花芽の数を100~150個程度に調整する予定です。
よって,予想収穫量は1,200~1,800g程度になると予想します。
成長予想
2021年シーズンにおけるブライトウェルの成長を予想すると,1.5kg程度の収穫を見込んでいるものの,樹勢は衰えることはなく,樹高は1.8m程度になり,樹冠も直径1.8m程度まで成長すると見込んでいます。
また,根元からのシュートが発生し,成長が止まる10月の時点で,主軸枝が3本になることも期待しています。
2020年11月-2021年10月の栽培記録
さて,ここからは2021年シーズンの栽培記録です。
2020年11月は一部で紅葉が始まる
ブルーベリーの様子
2020年11月21日,ブライトウェルは一部の枝で紅葉が始まっているだけで,まだまだ緑がたくさん残っていました。
完全に紅葉するのは12月になってからですね。
夏剪定をしていませんので,伸び放題となっており,冬剪定でしっかりと残す枝を決めないといけませんね。
ラビットアイ系統は樹勢が強く,収穫量も多いですが,鉢植え栽培ではコンパクトな樹形を保つため,収穫量を犠牲にしてでも剪定によって上への成長を抑えないと強風で倒れてしまいます。
とはいえ,来年は500g~1kg程度は収穫したいので,今からどの枝を残すか悩んでしまいそうですね。
紅葉している枝に注目してみると,葉の色は鮮やかな赤色ですね。
鮮紅色といったところでしょうか。
ホームベルとは色がかなり違っていました。
また,一部の葉の根元からは花芽が見えていました。
花芽の分化が遅めですね。
11月の管理内容
11月の栽培管理は,植え替えと水やりです。
9月に植え替え済み
ブライトウェルは9月で植え替え済みですので,当月は特に作業することはありませんでした。
無事に10号スリット鉢から45Φナーセリーポットに鉢増し出来たので,成長は順調そのものです。
自動潅水機の電池交換をした
鉢植えの品種を写真撮影をしていたときに、鉢が軽いなと思っていたら、なんと自動潅水機であるタカギの「かんたん水やりタイマー」が電池切れを起こしていました。
前回記録した10月16日以降のいつから電池が切れていたのか分かりませんが、幸いにも水の需要が少ない紅葉の時期だったため、自然の降雨だけでもブルーベリーたちは枯れていませんでした。
2019年2月に購入してから初めての電池交換ですので、電池の寿命は1年8ヶ月くらいですね。
次回から余裕をもって1年半くらいで交換しようと思います。
2020年12月は休眠が始まっていた
ブルーベリーの様子
2020年12月25日,ブライトウェルは,11月の時点と比べると全体的に紅葉しており,完全に紅葉したといっても良いですね。
じっくりと樹形を観察したところ,元気いっぱいの苗らしく,内向き,交差,平行枝,と非常に剪定しがいのある枝でした。
コンパクトな樹形を保つため,切り返し剪定をして収穫量を多少犠牲にしようと思います。
結果枝に注目してみると,ラビットアイ系らしく,枝の先端からたくさんの花芽が葉の根元から見えていました。
花芽をすべて残せば収穫量は増えますが,全体的に小粒のブルーベリーができます。
また,樹勢も弱くなってしまうので,結果枝を切り詰めてある程度は花芽の調製が必要ですね。
12月の管理内容
株元をきれいに掃除した
冬は病害虫の発生自体はありませんが,紅葉が終わった後の落ち葉がある場合,落ち葉と鉢土の間に潜んでいる場合があります。
そうなると病原菌や害虫が越冬してしまいますので,株元は常にきれいにしておく必要があり,落ち葉が残っている場合は掃除をしましょう。
我が家の庭では,庭植えのホームベルと鉢植えの接木ミスティを除く3系統10品種では,すでに一部が落葉しており,ご覧のとおり落ち葉がたくさんありましたので,株元の掃除をしました。
農薬のマシン油乳剤を散布した
カイガラムシ類を見つけましたので農薬としてマシン油乳剤を散布しました。
また,散布しているとシャクトリムシも発見しましたので試しにマシン油乳剤をかけてみたら駆除することができましたので効果があるようです。
12月の作業内容
2020年12月29日に冬の剪定をした
2020年12月29日,ブライトウェルの全体の様子はこちらです。
元気いっぱいの苗らしく,内向き,交差,平行枝,と非常に剪定しがいのある枝でした。
コンパクトな樹形を保つため,切り返し剪定をして収穫量を多少犠牲にしようと思います。
結果枝に注目してみると,ラビットアイ系らしく,枝の先端からたくさんの花芽が葉の根元から見えていました。
花芽をすべて残せば収穫量は増えますが,全体的に小粒のブルーベリーができます。
また,樹勢も弱くなってしまうので,結果枝を切り詰めてある程度は花芽の調製が必要ですね。
また,剪定対象となる不要な枝がたくさんありますので,間引き剪定をしてすっきりさせ,切り返し剪定で伸ばしたい部分を作っていきます。
剪定後の様子は以下のとおりです。
不要な枝をバッサリと剪定したことで,すっきりとしましたね。
これで翌シーズンも成長しすぎることなく,コンパクトな樹形になるかと思います。
近づいて撮影してみると,これだけ細い枝を剪定してもまだまだたくさんの花芽が残っていますね。
ブライトウェルもホームベルと同様に,ジャム用の果実として収穫量を優先しようと思いますので,なるべくたくさんのブルーベリーが収穫できるよう花芽の数を減らさないことにします。
残った主軸枝の数,枝の数,花芽の数
今回の剪定で主軸枝の数,枝の数,花芽の数は以下のとおりです。
- 主軸枝…2本
- 結果枝…39本
- 花芽…213個
地植えホームベルと同様の約200個程度の花芽を残していますが,2月の剪定で花芽の数を100~150個程度に減らし,地植えホームベルや同じ4年生の鉢植え栽培しているサザンハイブッシュ系とではどれくらい収穫量が違うのか観察してみようと思います。
まとめ
ブルーベリーのブライトウェル(4年生)の2020年11月から現在までの最新の成長記録を紹介しましたが,いかがでしたか?
これまでの作業内容と,管理内容,栽培方針など気になる点は大体理解出来たかと思います。
2021年10月までは記事を更新していく予定です。
この記事を読んでみて,ブライトウェルを育ててみようと思って貰えたら幸いです。
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