今回は,ゴメクサスのパワーハンドルノブを分解して回転性能の向上に成功しましたので,その方法について紹介します。
また,試してみる場合は自己責任でやってもらい,失敗したときのクレームは受け付けませんのでご了承下さい。
目次
ゴメクサスとは?
ゴメクサスとは,Amazonでしか取り扱われていないリールのハンドルとハンドルノブ,リールスタンドをメインに販売するカスタムパーツ専門店です。
ジギングリールを自社で販売しているようですが,取り扱っている商品の数は少ないので,ハンドルとハンドルノブ専門店と言っても過言ではないでしょう。
その特徴は,何と言っても価格の安さです。
シマノやダイワの純正カスタムパーツであれば,1万円以上するようなハンドルであっても,ここではほとんどの商品が3千円以下で購入可能です。
パワーハンドルの交換方法
私が購入して持っているパワーハンドルは,「」です。
シマノのグラップラーBB用に購入しましたが,ネジ穴が7✕4mmのリールであればどれでも装着可能ですね。
シマノの製品であれば対応しているリールは多いかと思います。
こちらの記事で購入方法と詳しい装着方法を紹介していますので是非ご覧下さい。
回転性能への不満
「」に交換して分かったのが,ハンドルノブの回転性能の低さです。
これは個体差があるようで,ずっと回り続けるものもあれば,私の製品のように3秒程度しか回り続けないものもあるようです。
使用用途がライトジギングで巻き上げ力向上のために購入しましたので,そこまでハンドルノブの回転性能に固執しているわけではありませんが,少し気になりました。
値段相応の性能かと諦めていましたが,ハンドルノブを分解して軽くチューニングしてみたら劇的に改善したので,その方法について紹介したいと思います。
パワーハンドルの分解方法
さて,まずは気になる「」の分解する手順です。
分解すること自体はハンドルノブのカバーを反時計回りに回せば外すことが出来ますので簡単ですが,何と言ってもそのハンドルノブカバーが固いです。
私は結構力が強い方だと思っていますが,素手でハンドルノブを外そうとしても残念ながら不可能でした。
材質が滑りやすいというものありますが,とにかくハンドルノブが固くて外せません。
そこで用意したのが,下の精密ドライバーセットです。
この精密ドライバーセットが良いわけではなく,この無駄にたくさんついている先の部分「ビット」が重要です。
普段使わないようなビットをハンドルノブの穴に下の図のように差し込みます。
これだけたくさんのビットがあると,ピッタリと当てはまるサイズが見つかるはずですので,それを2本探し出しましょう。
そしてカバーの接続部から下をロッドベルト等を巻いて滑らないように対策し,反時計回り(矢印の方向)に回してみるとようやくカバーを外すことに成功しました。
よくハンドルノブのカバーとの接続部を見てみると,ネジ緩み止めの接着剤が塗布してあったので固かったということに気がつきました。
一度外してしまえば次からは手で外すことが出来ますよ。
そうなると使用中に緩んでしまうのではないかと心配される方には,ネジ緩み止め剤を使用することをオススメします。
そして,中のネジは精密ドライバーセットに入っている0サイズのプラスドライバーのビットを使って外すことが出来ます。
そしてこのネジもまた固い!!
こういった固いネジを回すときのコツは,「押す力:回す力=7:3」です。
また,サイズの異なるプラスドライバーを使うと,ネジ穴をナメてしまい二度と取り外し出来なくなりますので注意して下さいね。
外してみたところ,ハンドルノブカバーとその下部分,ボールベアリングが両サイドに2個,ワッシャー(座金)が1枚でハンドルノブが出来ていました。
そして意外と部品点数が少なくて単純な作りですね。
シマノやダイワのカスタムパーツからこれくらいの価格で出して欲しいものですが,防錆処理を施したS A-RBのベアリング2個使用するだけで2,000円を軽く超えてきますし,何よりカスタムパーツの需要が少ないので難しいでしょうね。
というわけで,難しいと思っていたハンドルノブの分解は,精密ドライバーセットがあればすぐに解決したので,まだ持っていない人は準備しておくことをオススメしますよ。
ハンドルノブの調整方法
ハンドルノブの回転性能が悪い原因を調べたらすぐに分かりました。
どうやらハンドルノブの回転性能が悪かったのは,ネジの締めすぎが原因のようでした。
このあたりの調整はシマノやダイワの純正カスタムパーツであれば問題にならないでしょうね。
そこで,ネジの締めすぎを解消するため,完全にネジを締めたあとで約90度緩めることにしました。
さらに,付属の座金(ワッシャー)を1枚ネジの直下に加えます。
たったこれだけのことで回転性能が向上しました。
試しにハンドルノブを回してみると,3秒程度しか回転しなかったものが,クルクルーっと20秒以上回転し続けるほどになりましたよ。
約7倍の性能向上ですね。
ネジの締めすぎは良くないということで解決したので良しとしましょう。
見た目が良かったので2,500円程度のパワーハンドルでこれだけのものであれば,コストパフォーマンスが非常に良い製品と思っていましたが,ネジの調整を加えることで劇的に回転性能が改善したのでその価値は更に上がったと思います。
ボールベアリングのチューニング
これだけでも既に十分な性能になりましたが,もう少し改善させてみたい!!
ということで,次はボールベアリングの回転性能を向上させたいと思います。
「」に使用されているボールベアリングは,パッケージに記載されていますが「ステンレススチールベアリング」です。
防錆処理のしていないステンレス製ですので,何も対処をしなければ海釣りで海水にあたるとすぐに錆びてしまします。
ということで,最低でもベアリングに入っている何か分からないグリスの脱脂と,グリスアップや注油はしておきたいですね。
しかし,リールのベアリングは基本的にシールドがついたものですので,普通にベアリングへクリーナーやオイルを吹きかけても中まで浸透していきません。
ベアリングの脱脂と注油
ベアリングの脱脂と注油やグリスアップには「」を使います。
使い方は非常に簡単で,上のとおりベアリングをのせて蓋をし,脱脂用のクリーナーと注油用のスプレーを穴に差し込むだけです。
これはかなり使える商品ですよ。
そして,ベアリングの脱脂には「KURE5-56」でお馴染みの呉工業「」を使用します。
こんな感じで1~2秒くらい差し込んで,シューッとクリーナーが下から出てきたら脱脂完了です。
受け皿にはオーバーホールの部品洗浄で使うために持っていた小型のプラスチック製容器を用いました。
ベアリングを取り出し,キッチンペーパーやウエスを使って余分なクリーナーを拭き取って,2~3分放置します。
次に,ベアリングの注油には,シマノの「」を使用します。
これも同じく1~2秒くらいでオイルが下から出てきたら完了です。
穴を通ってオイルがベアリングの中を通過して出てきますので,確実にチューニングが出来ています。
ベアリングを取り出し,キッチンペーパーやウエスを使って余分なオイルを拭き取りましょう。
チューニングが終わったベアリングがこちら。
これをハンドルノブに戻して組み立てれば完成です。
試しにハンドルノブを回してみると…
めちゃくちゃ良く回ります!!
シャーという回転音がほとんどなくなり,静かにずーっと回るようになりました。
ネジの調整だけで回転時間が3秒から20秒くらいに改善しましたが,脱脂と注油をしたあとに時間を計ってみると,50秒くらい回り続けました。
さらに約2.5倍の性能向上ですね。
もとのハンドルノブからは約17倍の性能アップを果たしましたよ。
これなら純正のカスタムパーツと比べても遜色ないレベルになったのではないでしょうか?
残念ながら,実はこれには欠点があります。
それは,リールオイルスプレーを使ったことで,オイルが揮発しやすいということ。
ですので,使用後は毎回手入れをしなければ性能を維持できないどころか,ベアリングの寿命を縮めてしまいます。
メンテナンスなんか面倒くさいからやりたくないよ!!という方には,グリスアップをおすすめします。
グリスアップに使用するのは,シマノの「」です。
ということで,シマノにはオイルとグリスがセットになったメンテナンス用品がありますので,そちらを購入することをおすすめします。
ベアリングの交換
ここまで手間をかけてチューニングをしなくても,手っ取り早く回転性能を上げる方法として,性能の良いベアリングに交換してしまうという手もあります。
ハンドルノブに使用されているベアリングは,740ZZという規格で,内径4mm×外径7mm×厚さ2.5mmのシールドタイプですので,この条件を満たすベアリングであれば交換可能です。
性能はさておき,とにかくベアリングを交換したいのであれば,「」をおすすめします。
1個あたり200円くらいで購入出来ます。
ただし,ベアリングは当たり外れが激しいので,何個か余分に購入する必要があります。
より回転性能(品質)が良いボールベアリングが欲しいのであれば,「日本最大級のカスタムパーツ品揃え!ヘッジホッグスタジオ」というサイトで購入することをおすすめします。
ここでは,1個1,000円を超える高級なベアリングから価格と性能のバランスが良いベアリングまで幅広く取り揃えています。
1個1,000円を超える「HRCB防錆ベアリング」に交換すれば,シマノやダイワといったリールメーカー純正品以上の品質ですので,格段に性能が向上するでしょう。
そこまで高精度・高性能でなくてもいいから手頃な交換用ハンドルノブベアリングが欲しいという方にオススメしたいのが,エコノミークラスのベアリング「ECC-740ZZ 内径4mm×外径7mm×厚さ2.5mm シールドタイプ ×4個セット」です。
シマノやダイワといったリールメーカー純正品のベアリングと同じ程度の回転性能があり,かつ1個400円程度と価格も抑えられています。(純正品は1,200円くらいします)
この製品の特徴は,
- 回転性能よりも耐久性を重視したセッティング
- 最終検査は機械測定器で全数検査
- ベアリングには一般的な防錆グリスを充填。
ということですので非常に高性能なベアリングというわけではありません。
しかし,ハンドルノブに使用する目的であれば,最高品質の回転性能よりも価格と性能のバランスが良いベアリングを購入した方が良いのでこの商品をおすすめします。
まとめ
- ゴメクサスのパワーハンドルはコスパが良い
- ゴメクサスはAmazonで買うことが出来る
- ゴメクサス製パワーハンドルは回転性能が低い
- 分解・調整で性能が向上した
- 脱脂・オイル差しで更に性能アップ
- ベアリングの交換もオススメ
いかがでしたか?
「」を購入したものの,いまいちな回転性能に不満を持っている方にはぜひ試して欲しい改善方法です。
皆さんも回転性能が向上したパワーハンドルを使って快適な釣りを満喫してくださいね。
最後に,くれぐれも試してみる場合は自己責任でやって頂き,失敗したときのクレームは受け付けませんのでご了承下さい。
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