今回は釣ったブリ(ワラサ・メジロ)を使って刺身用に柵取りまでの捌き方を紹介します。
目次
ブリ(ワラサ・メジロ)の代表的な料理といえば?
皆さんの中でブリを知らない方はいないと思いますが,出世魚としても有名で,これほど多くの呼び方がある魚はないといっても過言ではありません。
私も全国の呼び方を知っているわけではありませんが,有名な呼び方の1つとして,関東ではワカシ-イナダ-ワラサ-ブリ,関西ではツバス-ハマチ-メジロ-ブリと呼ばれていますね。
今回,私が釣れたブリは70cm,3.5kgですので,ワラサやメジロと呼ばれるサイズかと思います。このくらいのサイズになると,釣り人でも捌いたことのある人は減ってくるのではないでしょうか。
ブリを使って真っ先に思い浮かべる料理といえば,刺身はもちろんのこと,焼くなら照り焼きや塩焼きが定番で,幽庵焼きやみそ漬けも非常に美味ですよね。
汁物ではしゃぶしゃぶや鍋が定番でお吸い物や潮汁にしても美味しいですし,ぶり大根や煮つけのような煮魚でも美味しい魚ですので,まさに何にしても美味しい魚といえます。
特に冬の季節は寒ブリと呼ばれ,非常に脂がのっていて美味しい時期ですので,鮮度の良いうちは刺身やしゃぶしゃぶで濃厚な脂を堪能し,日にちが進めば焼き物や煮物でさっぱりと頂くのが良いと思います。
また,刺身が最も美味しくなるのは3日目ですので,鮮度を落とさないよう上手に熟成させていくと良いでしょう。
ただ,ブリの捌き方を知らなくてはせっかくの美味しい魚が活かせませんよね。
ということで今回は,簡単に出来るブリの捌き方を分かりやすく紹介します。
魚の捌き方
魚の捌き方には大きく分けて3つのステップがあります。
- 鱗と内臓を取り除く
- 三枚おろし
- 柵取り
柵取りまですると,非常に綺麗な状態で食べることが出来ますが,1匹あたりに使う時間は長くなりますし,全ての料理において柵取りをする必要はありません。
主に魚料理は生食用か加熱用かの違いで捌き方が違ってきますので,料理にあった調理方法を選んで下さい。
今回は刺身編として柵取りまでの全ての行程を紹介しますね。
ブリ(ワラサ・メジロ)の簡単な捌き方
鱗を落とす
まずは,ブリを軽く水洗いし,綺麗なフキンで水気を拭き取り,鱗を落としていきます。
ブリの鱗は非常に小さくて細かいので,包丁ですき引きをしていきます。
特に難しいということはなく,出刃包丁のしのぎを当てながら上下すれば簡単に鱗が取れていきます。
ブリの皮は厚いので問題ないとは思いますが,誤って皮ごと削ってしまうともったいないので慎重に作業しましょう。
また,切れ味の良い包丁を使って下さいね。
出来上がりはこんな感じです。もちろん反対側も鱗を取ります。
この行程は,結構時間がかかりますので10分程度はかかります。
鱗を綺麗に取り除いたら次の作業に移ります。
エラと内蔵を取り除く
まずは,エラ蓋から包丁を入れてカマを外します。
次に魚の肛門からカマに向かって包丁を入れるとお腹が開きます。
エラと内蔵を一緒に取り出し,綺麗に水で洗い流せば完成です。
内蔵が気持ち悪いと思う人がいるかもしれませんので,写真では説明しません。
この行程は簡単ですので,慣れてしまえば2~3分もあれば終わります。
三枚おろし
次に三枚おろしにします。
まずは,胸ビレのうしろから腹ビレのうしろにかけて斜めに包丁を入れます。
反対側も同じように切れ目を入れ,あとは背骨を勢いよく叩き頭とカマを落とします。
落とした頭とカマは,焼き物や汁物にすると余すことなくブリを味わうことが出来ますよ。
オススメはブリ大根にすることです。
今回は使いませんので,き頭とカマはラップをして冷蔵庫で保管します。
次に,腹側から尻尾の手前まで角度をつけて浅く包丁を入れて道を作っておき,包丁を寝かせて2度目で背骨まで包丁を入れます。
上手く背骨まで包丁が到達すると,カリカリっという骨があたる音が聞こえますよ。
ここでしっかりと背骨まで到達していないと,骨に身が残りやすいので丁寧に捌いて下さい。
反対側も同じように切れ目を入れていきます。
両側から切れ目を入れると,背骨と尻尾で繋がった状態になりますので,身を背骨から剥がすイメージで尻尾付近から尻尾に向けて一度包丁で通して下さい。
今度は逆向きで尻尾を持ちながら包丁を手前に引くと,あばら骨のあたりで止まりますので,勢いよく骨を身から剥がして下さい。
ここはちょっと力が必要ですが,勢い余って怪我をしないよう注意して下さいね。
綺麗に出来たら,尻尾付近に包丁を入れて,背骨から切り取ります。
残りの半身も同様の工程で完成ですが,こちらの方が若干難易度が高いです。
これで三枚おろしの完成です。
中骨もブリ大根に出来ますので,3等分して冷蔵庫に保管しましょう。
ここまでの行程は,慣れてしまえば5分もあれば終わります。
ただし,慎重にやらないと中骨に身がたくさんついてしまっては,刺身の取れる量が減ってしまいますので気をつけて下さいね。
この状態にしてしまえば,焼き物でも汁物でもなんでも使えますので,是非出来るようになって下さい。
また,これらの作業にはブリの硬い骨が切れる包丁が必要ですので,なるべく切れ味の良い出刃包丁を用意しましょう。
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柵取り
さて,最後は柵取りです。
まずは半身から腹骨を外す腹スキという作業をしていきます。
一度腹の少し上側に切れ目を入れて道を作ります。
その際,腹骨と中骨が繋がっている部分を切っておくことが重要です。
あとは腹骨のすぐ下側を骨に沿って包丁を入れていきましょう。
腹スキは意外とコツがいる箇所だと思いますが,失敗しても途中からやり直しがきくので,安心してチャレンジして下さい。
ちなみに,腹骨ももちろんブリ大根の具材になりますし,ここは非常に脂がのっていて美味しいので絶対に捨ててはダメですよ。
出来るとこんな感じで綺麗な身が出来ます。
次に中骨を取り除きます。
真ん中にある中骨を避けて腹側の下身へ包丁を入れて皮ごと切り取ります。
次に中骨の上側にも包丁を入れて,中骨と上身を切り分けます。
なるべく中骨についた身を少なくすることで刺身の取れる量が増えますよ。
また,中骨ももちろんブリ大根の具材になります。
もう一つの半身も同様の処理をすれば,4本出来ます。
この行程はかなり技術が必要ですので,慣れていても5~15分は必要です。
ここまで出来たら,使用するまで痛まないよう全てラップをして冷蔵庫に入れておきます。
こうすることで,骨を全て取り除いた柵の状態となり,この後皮を引けば刺身やしゃぶしゃぶに使用でき,この状態でラップをして冷蔵庫に保管すれば,3~5日は刺身で堪能出来ると思います。
また,皮付きのままでも焼き物や煮物を作ることが出来るので,ブリを捌く際はここまでしてから保存すると良いでしょう。
これらの作業には魚体の大きいブリを捌くために長くて良く切れる包丁が必要ですので,なるべく切れ味の良い刺身包丁を用意しましょう。
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皮引き
さて,ここまででブリの捌き方を説明しました。
しかし刺身にするには皮引きをする必要がありますので,皮引きの仕方も紹介します。
食べる直前になったら,刺身用に皮を引いていきます。
ブリの尻尾側から3cmくらいのところで包丁を入れ,皮の下に包丁のしのぎ部分を当てます。
皮を引っ張りながら,包丁をまな板に沿うように押し当てながら上下します。
尻尾から身の半分までと腹部分の先までの間に包丁の角度を変える箇所がありますので気をつけて下さい。
そのままの角度で皮引きをしていくと,腹部分の皮に身が残ってしまいます。
ちなみにブリの皮はかなり厚いので,皮が切れてしまうといった失敗はほとんどないと思います。
なるべく皮を薄くすると脂がのった白い部分が残り,皮下脂肪の旨味を堪能出来るので,ここが腕の見せどころです。
これで皮引きの完成です。
ブリの脂は酸化しやすく,臭いやすいのでなるべく食べる直前に皮引きをするようにしましょう。
使用後は包丁の手入れ
最後に,魚を捌き終わり包丁を使い終わった後は丁寧に洗って乾燥させましょう。
また,定期的にメンテナンスすることで切れ味を持続させておくと包丁は長持ちしますよ。
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まとめ
- ブリ(ワラサ・メジロ)の捌き方を覚えよう
- 保存するなら柵取りまでするのがオススメ
- 使用後は包丁の手入れをしよう
いかがでしたか?
写真を見ながら練習して,上手く真鯛が捌けるように頑張って練習して下さい。
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