皆さんこんにちは。
おんきちです。
今回は2019年に2年生苗として購入したブルーベリーのチャンドラーが無事成長して3年生苗となり,更に2020年の1年間を庭で鉢植え栽培をした結果の成長記録を紹介します。
目次
チャンドラーは果実が特大粒で甘い品種
チャンドラーは,アメリカ連邦農務省が育種したノーザンハイブッシュブルーベリーです。
ノーザンハイブッシュ系統は寒冷地での栽培が適している
ノーザンハイブッシュ系統の特徴は,寒冷地に適した系統であり,果実が大きく,味と香りのよい品種が多くあるということです。
また,ラビットアイ系統より早く収穫出来るという特徴もあります。
残念ながら冬が温暖な地域では不向きで関東地方より北での栽培が適していますので,関東以南の地域ではそのまま育てるのは難しいようで自根ではなく,接木苗による栽培をする等の工夫が必要になります。
チャンドラーはノーザンハイブッシュ系統で最大の果実がとれる魅力ある品種
チャンドラーは1994年に発表された品種で,ノーザンハイブッシュ系統で最大の果実がとれ,果実品質が優れています。
そんなチャンドラーの苗木としての特徴は,
- 樹勢は旺盛
- 収穫時期が早い
- 比較的涼しい地域に向く
ということが挙げられます。
また,果実品質の特徴はというと,
- 特大粒
- 甘い
- 風味が良い
の4点が挙げられますね。
やはり特大粒で甘くて風味が良いところに目がいくかと思います。
同じノーザンハイブッシュ系統でも,育てるのは難しいという評価をされるスパルタンと比べても樹勢が強いため育てやすいという点も選びやすいですね。
しかし,最新品種と比べても,簡単に入手出来るにも関わらず,今でも果実のサイズが最大で,名前が知られている品種ですので,栽培してみる価値があります。
大関ナーセリーからの評価
日本国内での苗木販売会社である「大関ナーセリー」のホームページから引用すると,
成熟期 中生~晩生 6月下旬~7月上旬 樹姿 直立性 樹勢は旺盛 樹高は180cmくらい 樹は-15℃まで耐えることができます 果実 特大 果皮は明青色 果柄痕は小さく乾く 果実の硬さは中位 風味は良い 収穫量 安定して多い ◆アメリカ連邦農務省の育成。1994年に発表。
「ダロウ」と系統番号「M-23」との交配。
◆ノーザンハイブッシュブルーベリー
北海道、本州、九州の夏比較的涼しい地域に向きます。
◆特長
ノーザンハイブッシュブルーベリーの中で果実の大きさは最大です。
果実は特大粒で甘く、ジュージーで風味豊かなブルーベリーです。
また、収穫時期が長いことで、ホームガーデン等でたいへん人気があります。
栽培のポイント
・酸性土壌(pH4.5~5.2)を好みます。
・酸度未調整のピートモス等をたっぷり混ぜて、土壌改良をしてから植え付けてください。
・1品種でも自家受粉しますが、異なる品種をお近くに植え付けたほうが、いくぶん収量が増し、果実も大きくなり熟期も早まります。
ということで,大関ナーセリーのように最新品種を数多く取り揃えている種苗業者でも,果実品質は間違いありませんね。
また,チャンドラーはアメリカパテント(米国特許)品種でもなければ,日本国内の種苗法による登録品種でもない,一般品種です。
ということもあって,近所のホームセンターでも探せば大抵販売されているため入手しやすいというのも特徴ですね。
チャンドラーの2年生苗は簡単に入手出来た
私自身は2012年にブルーベリー栽培を始めた当初はラビットアイ系統からスタートしており,ノーザンハイブッシュ系統は2019年からの栽培です。
2012年当時,利用したのは近所のホームセンターで売れ残っていて安売りしていた苗木でしたが,今回は苗木屋から購入しようと思い,2019年2月に「大関ナーセリー」のオンラインストアを覗いてみたところ,時期が悪かったため売り切れとなっており,代わりにYahooショッピングに出店している「苗木部 花ひろばオンライン 」で在庫ありとなっていたので,購入することにしました。
すぐに注文したところ,問題なく届きました。
2019年2月に購入したチャンドラーの2年生苗が届く
2019年2月,「苗木部 花ひろばオンライン 」からチャンドラーの2年生接木苗が届きました。
チャンドラーは15㎝ポット仕立てで届き,苗木としては十分なサイズで送られてきており,根もしっかりと張っていました。
おそらくですが,2017年3月に接木をしたものを2018年10月に2年生苗として出荷していた苗の残りを2019年2月に購入しているはずですので,2019年3月以降は新3年生苗となるはずです。
2019年の栽培記録は別の記事で紹介しています
チャンドラーの2年生苗が届いてから,2019年2月から2020年2月までの1年間育てた時の栽培記録は,以下の記事で紹介しています。
2年生苗ブルーベリーのミスティが1年間でどう成長していったか記録しました
2年生~3年生苗だった2019年栽培記録では課題も多かったので,どこで失敗したかの参考になるかもしれませんね。
また,その時の課題を踏まえた栽培計画ですので,今回の栽培記録を参考にしてもらった方が良いと思います。
水やりは自動潅水機におまかせ
また,成長記録の中で水やりの間隔について言及していますが,これは自動潅水機であるタカギの「かんたん水やりタイマー」の設定を変更しているということです。
っとまぁ長い前置きになりましたが,ここからがチャンドラー3年生の成長記録です。
3年生苗チャンドラーの1年間の成長記録
チャンドラー自体は樹勢が良いという評価ですが,2019年から栽培方法を変更したこともあって,もっと成長してくれるかと期待しましたが,他のブルーベリーと比べると大きな変化はなく,普通に成長しました。
同時に栽培していて大きく成長した3年生苗のサザンハイブッシュ系プリマドンナも併せて読んでください。
【ブルーベリー栽培】3年生プリマドンナの成長記録を紹介します
1月1日に枝を剪定
剪定方法はシンプル
2020年1月1日,チャンドラーの剪定をしました。
3年生苗の剪定方法は,以下の4点です。
- 不要な枝を切る。(折れ枝,枯れ枝,爪楊枝より細い枝)
- 勢いはあるけど邪魔な枝を切る。(内向きに伸びた枝,株の中心にある枝,重なってしまう枝)
- 勢いの弱いサッカーを切る
- 結果枝についた花芽を1枝あたり2~3個に調整。
以上です。
以下の写真は剪定後ですが,ほとんど余分な枝と呼べるものがなく,剪定は花芽の調整くらいでした。
その結果が下の写真です。
花芽は合計で13個に調整しました。
剪定に使用した道具
剪定に使用した鋏は,「岡恒 剪定鋏 180mm NO.101」です。
ブルーベリーの枝であれば,太い幹以外の枝はこれで全て剪定出来ます。
そこへ鋏入れとして「岡恒 剪定皮サック 1丁入 No.108」があれば良いですね。
なんとなくメーカーを揃えたくなるので,私はこの際ということで買って使ってます。
あとは,枝の先端にある花芽を除去するために,小回りが効く「岡恒 芽切鋏 NO.304」もついでに購入して使っています。
最後に,剪定道具としては,3年生苗であればしばらく使用しませんが,主軸の更新用に小型のノコギリも必要になりますので,余裕があれば揃えておくと良いですね。
私が使用しているのは,「シルキーポケットボーイ 万能目 340-14」です。
このノコギリは小回りが効いてよく切れるので重宝しています。
水やりの間隔
水やりの間隔は7日に1回です。
2月8日で栽培1年を迎える
2020年2月8日,2019年2月にチャンドラーが15㎝ポット仕立てで届いてから約1年が経過しました。
また,他のブルーベリーに元肥としてプロトリーフ「ブルーベリーの肥料」をあげたついでに記録しました。
これは,油かすやバットグアノといった有機肥料で作られたペレットタイプの肥料です。
本来は3月上旬ですが,有機肥料は微生物に分解されてから効き始めるため,化成肥料と比べて1ヶ月程度早く,2月上旬に与えるようにしています。
なお,チャンドラーには3月上旬に緩効性化成肥料を与える施肥計画にしています。
ブルーベリーの様子
1月に剪定してから変わっていませんね。
変わったところといえば,支柱を1本足したことくらいでしょうか。
2月上旬ではまだ温かくなる季節ではないので,芽が動き始めるのはまだ先です。
水やりの間隔
水やりの間隔は変わらず7日に1回です。
3月7日に元肥を施肥
2020年3月7日,元肥としてIB化成肥料を20g与えました。
元肥は緩効性化成肥料
元肥としてあげたIB化成肥料は緩効性化成肥料です。
20gの肥料に含まれる窒素成分量は約2gです。
また,IB化成肥料の肥効期間は80日程度です。
萌芽とともにゆっくりと肥料が効いていくよう選択しました。
なお,2019年9月に鉢増し時の用土に,マグァンプK中粒を40gを施肥していましたので,それに含まれる窒素成分量である約2.4gも含めて,合計4.4gということになりますね。
ブルーベリーの様子
2月から変わりありませんでした。
ノーザンハイブッシュ系は休眠時間を多く必要としているので、暖かくなってもまだ寝不足気味なのかもしれないですね。
水やりの間隔
水やりの間隔は,3月6日まで「7日に1回3分間」でしたが,最高気温が10℃以上となったので3月7日から「3日に1回3分間」に変更しました。
次は,実家に撮影してもらったため,画像が荒くなります。
4月4日は萌芽していた
2020年4月4日,実家に撮影を協力してもらい,写真を送ってもらいました。
実家の人はスマートフォンの扱いに慣れておらず,LINEのアプリ上で撮影したため,写真の画像が荒いです。
分かる限りで観察しました。
ブルーベリーの様子
苗の様子は,花芽と葉芽が展開し始めており,休眠から目覚めて春の芽吹きが始まっていました。
画像からは見づらいですが,チャンドラーは開花直前です。
チャンドラーの開花期は,「大関ナーセリー」のカタログに「4月26日~5月5日」と記載されていますので,まだ開花していなくてもおかしくはありませんが,2020年は暖冬の影響で少し早くなっていましたね。
肥料も効いていて,水やりも問題ないと思います。
水やりの間隔
水やりの間隔は,変わらず「3日に1回3分間」です。
4月19日はアブラムシ対策に農薬を散布
アブラムシ対策の農薬はベニカ水溶剤
2020年4月19日,例年4月から大発生するアブラムシ対策として,農薬であるベニカ水溶剤を2000倍に希釈して散布しました。(1回目)
効果は雨にもよりますが30日程度です。
ブルーベリーの様子
苗の様子は,新梢が展開しており,しっかりと成長が確認出来ました。
また,チャンドラーの開花期はようやく始まっており,満開までもう少しというったところでしょうか。
水やりの間隔
水やりの間隔は,「3日に1回3分間」です。
4月29日はまだまだ開花期の途中
2020年4月29日,雨除けハウスと防鳥ネットの骨組みとなるステンレスパイプを庭に打ち込む作業をしたついでに記録しました。
ブルーベリーの様子
4月19日から10日間しか間が空いていないため,苗の成長にあまり変化は感じられませんが,多少枝が伸びていました。
花芽は,まだまだ開花期が続いていました
多少受粉が完了した花も見え始めており、柱頭が上を向いていますね。
水やりの間隔
水やりの間隔は,4月28日までは「3日に1回3分間」でしたが,最高気温が25℃以上となったので4月29日に「2日に1回3分間」に変更しました。
チャンドラーの全体 チャンドラーの花芽
5月9日は気温が上がり葉が生い茂り果実も充実してきた
2020年5月9日,チャンドラーへ1回目の追肥としてIB化成肥料を15gあげるとともに,雨除けハウスと防鳥ネットを設置作業をしました。
追肥は緩効性化成肥料
追肥としてあげたIB化成肥料は緩効性化成肥料です。
15gの肥料に含まれる窒素成分量は約1.5gです。
雨除けハウスはブルーベリーの果実が裂果するのを防ぐため
雨除けハウスの設置した理由は,せっかく実った果実が梅雨によって水分を余分に吸収してしまい,裂果してしまう品種があるからです。(主にオニールとフロリダスターの対策ですのでチャンドラーは関係ないです。)
ブルーベリーは,元々アメリカで品種改良されており,6月の梅雨が存在しないため,収穫時期の雨による裂果を想定していません。
だから日本の気候に合わせて環境を整える必要があります。
防鳥ネットは野鳥に食べられないようにするため
防鳥ネットを設置した理由は,これから肥大化していく果実に合わせてやってくる野鳥対策です。
せっかく実った果実は,育てた人間よりも野鳥が先に見つけて食べられてしまうんですよね。
そこで,物理的に遮断してしまおうというわけです。
ブルーベリーの様子
下の写真は,雨除けハウス内に移動させる前に撮ったものです。
4月29日から10日間しか間が空いていませんが,雨がほとんど降らず,気温も25℃~30℃と上昇していたこともあってか,前回と比べると葉の量が増えており,確実に成長していました。
特に,太い主軸の上部から新梢がたくさん発生し,上に横に枝が伸びていますね。
これからますます成長に期待したいところです。
また,また果実の方は,開花期が終わり,受粉が完了した花は果実が肥大化していました。
冬の剪定で残した花芽は13個と少なかったですが,味見程度には収穫できそうです。
水やりの間隔
水やりの間隔は,変わらず「2日に1回3分間」です。
チャンドラーの全体 チャンドラーの花芽
5月24日は順調に成長していた
2020年5月24日,実家に撮影を協力してもらい,写真を送ってもらいました。
前回から実家の人にスマートフォンの扱いを教えておいたため,4月よりは鮮明な写真が送られてきました。
ブルーベリーの様子
分かる限りで観察したところ,5月9日から果実がさらに成長していました。
また,新梢が成長してきている影響で,徐々に果実の写真が撮りづらくなっているようです。
苗の成長と果実の肥大化が同時に観察出来ることはありがたいことですね。
水やりの間隔
水やりの間隔は,変わらず「2日に1回3分間」です。
5月30日はアブラムシ対策に農薬を散布
2020年5月30日,アブラムシ対策に農薬を散布しました。
ブルーベリーの様子
5月9日から3週間が経過し,雨がほとんど降らず,気温も相変わらず25℃~30℃と成長には最もいい状態ですので,新梢が伸びて10号スリット鉢の外側へはみ出してきました。
残念ながら根本から新たなシュートやサッカーが発生していませんので,上部の成長ばかりが目立ちます。
肝心の果実はというと,さらに肥大化していました。
特大の果実になるだけあって,まだ色付いていないものの,一粒一粒に存在感がありますね。
チャンドラーの全体 チャンドラーの花芽
アブラムシ対策の農薬はオレート液剤
また,4月19日に散布した農薬の効果が約30日経った頃に切れていたようで,新梢にアブラムシが発生していました。
残念ながらベニカ水溶剤はブルーベリーに対しては収穫45日前までしか使用することが出来ませんので,アブラムシ対策としてオレート液剤を100倍に希釈して散布しました。(1回目)
オレート液剤は食品添加物に指定されているオレイン酸ナトリウムを主成分としており,害虫の呼吸器官である気門を封鎖することにより窒息死させるタイプの農薬です。
収穫前日まで大丈夫ですのでこの時期の使用としては安心ですね。
水やりの間隔
水やりの間隔は,「2日に1回3分間」です。
6月14日は1回目の収穫
2020年6月14日,1回目の収穫をしました。
待ちに待った初収穫です。
収穫量は31gでした。
食べごたえがあってこの日家族に最も人気の品種でした。
ブルーベリーの様子
5月30日から2週間が経過していますが,収穫期は苗の成長が一旦止まります。
ですので,前回と全体の様子を比較してもあまり変化がありませんでした。
その代わり,果実がどんどん色付き,収穫することが出来ました。
チャンドラーは,雨除けハウス内に入れてありますので,雨による裂果を心配する必要はありません。
水やりの間隔
水やりの間隔は,変わらず「2日に1回3分間」です。
チャンドラーの全体 チャンドラーの花芽
6月21日は最後となる2回目の収穫
2020年6月21日,チャンドラーの2回目の収穫をしました。
これで最後の収穫となりました。
収穫量は,12gでした。(デジタルスケールの読み方を間違えていたようです。)
実家の人が収穫し,そのまま味見をしてもらいました。
6月25日はお礼肥と3種類の農薬を散布
2020年6月25日,3種類の農薬を散布した後,お礼肥としてIB化成肥料を15gあげました。
3種類の農薬はアブラムシ・イラガ・コガネムシ類の幼虫対策
3種類の農薬は以下のとおりです。
1種類目は,5月にも使用したアブラムシ対策のオレート液剤(100倍希釈)です。(2回目)
2種類目は,イラガ対策として,収穫前日まで使用可能なデルフィン顆粒水和剤(1000倍希釈)です。(1回目)
こちらは,有機農産物にも使用できる資材で,使用回数に制限がありません。
3種類目は,ブルーベリーの鉢植えとして天敵となる,コガネムシ類の幼虫対策として,ダイアジノン粒剤5です。(1回目)
こちらは,収穫14日前までですので,収穫前後のサザンハイブッシュとノーザンハイブッシュでは,農薬取締法違反とならないよう注意しながら散布しました。
チャンドラーとしては,収穫が終わったところで注意する必要はありませんので問題なく散布しました。
梅雨のこの時期は成長が一旦ストップしていますので,梅雨明けから再開する急成長のためにしっかりとここで農薬を散布することで,害虫の被害にあうことなく成長することが出来ます。
2回目の追肥は緩効性化成肥料
お礼肥となる2回目の追肥としてあげたIB化成肥料は緩効性化成肥料です。
15gの肥料に含まれる窒素成分量は約1.5gです。
別の品種では苗木が果実の生産によって体力が低下しており,すぐに肥料を吸収して樹勢を回復させたいので,緩効性化成肥料ではなく速攻性化成肥料をあげました。
チャンドラーはその比較対象として,緩効性化成肥料をあげてみました。
その後の成長が悪かったのは,この時点で速攻性化成肥料をあげなかったことかもしれませんね。
ブルーベリーの様子
6月14日から約10日が経過していますが,やはり苗の成長は一旦止まっていますね。
収穫が終わったここから秋までは,光合成で作った栄養を全て苗木の成長に注ぐことが出来るので,見違えるような成長が期待できるはずでした。
根元からシュートは生えていませんが,上部だけでも立派な樹になって欲しかったです。
水やりの間隔
水やりの間隔は,6月24日まで「2日に1回3分間」でしたが,軽い水枯れの症状を見せた鉢があったので6月25日から「2日に1回5分間」に変更しました。
7月18日は雨除けハウスと防鳥ネットを外し寒冷紗を設置
2020年7月18日,雨除けハウスと防鳥ネットを外し(設置期間:5月9日~7月18日),寒冷紗を設置しました。
寒冷紗は真夏の強すぎる日ざしからブルーベリーを守るため
寒冷紗を設置した理由は,ハイブッシュ系統のブルーベリーにとって,真夏の強すぎる日ざしは,葉っぱが焼けてしまう原因となるからです。
夏の強い日ざしは,葉焼けだけでなく,葉の温度上昇による光合成効率低下の原因ともなりますので,遮光率20%程度の白色寒冷紗で樹を覆うと,樹勢が維持されることが期待できます。
よって,元々暑さに強いラビットアイブルーベリー系統はそのままにし,サザンハイブッシュとノーザンハイブッシュ系統の品種のみ,寒冷紗の下で栽培しました。
7月24日はチャンドラーは多少成長していた
2020年7月24日,チャンドラーは二次伸長があったようですが樹形はほとんど変わっていません。
ブルーベリーの様子
2020年は7月の天気が非常に悪く,曇りと雨ばかりでしたので,日照不足が懸念されましたが全体的には問題なく成長していて安心しました。
下の写真で二次伸長で上に枝の伸びており,多少成長しています。
収穫後から樹勢はなんとか回復したようですね。
他のブルーベリーで多少害虫に葉を食害されているのと,葉が黒くなっている部分もありました。
害虫の正体はコガネムシ類の成虫です。
この時期になるとどうしても発生してしまいますが,遠隔栽培している以上は多少の食害は我慢しないといけません。
先月末にダイアジノン粒剤5を散布しているので,おそらく鉢内に産卵しても問題ないでしょう。
水やりの間隔
水やりの間隔は,7月20日までは「2日に1回5分間」で,最高気温が30℃以上となったので7月21日から「1日に1回5分間」に変更しました。
8月15日はIB化成肥料を3回目の追肥と2種類の農薬を散布
3回目の追肥は緩効性化成肥料
2020年8月15日,チャンドラーに2020年最後となる3回目の追肥としてIB化成肥料を15gあげました。
肥料に含まれる窒素成分量は約1.5gです。
2種類の農薬はアブラムシとイラガ対策
その後,2種類の農薬を散布しました。
1種類目は4月にも使用したアブラムシ対策のベニカ水溶剤(2000倍希釈)です。(2回目)
2種類目は6月にも使用したイラガ対策のデルフィン顆粒水和剤(1000倍希釈)です。(2回目)
ブルーベリーの様子
また,前回の記録から3週間あきましたが樹勢が良くありません。
2020年は7月の天候不順から一転して8月は雨が2日間しかなく,8月9日から8月31日までの23日間で35℃超えの猛暑日が19日間観測されるほどの好天となり,ブルーベリーにとっては厳しい季節ですが,水枯れすることがなく新梢が萎れなければどんどん成長していくはずでした。
真夏の強い日差しも,寒冷紗のおかげで緩和されているのか,葉焼けしていませんでしたので,順調な成長をするかと思いきや,新梢の発生が全くありません。
他のブルーベリーは立派な樹に成長しているので,ノーザンハイブッシュ系だけ取り残されてしまいました。
水やりの間隔
水やりの間隔は,8月9日までは「1日に1回5分間」でしたが,最高気温が35℃以上となったので8月10日から「1日に2回5分間」に変更しました。
9月12日は寒冷紗を外した
2020年9月12日,実家の人にお願いして,寒冷紗を外してもらいました。(設置期間:7月18日~9月12日)
水やりの間隔
水やりの間隔は,9月11日までは「1日に2回5分間」でしたが,9月12日に最高気温が35℃未満となっていたので「1日に1回5分間」に変更しました。
9月19日は2種類の農薬を散布
2020年9月19日,2種類の農薬を散布しました。
1種類目は8月にも使用したアブラムシ対策のベニカ水溶剤(2000倍希釈)です。(3回目)
2種類目も同じく8月にも使用したイラガ対策のデルフィン顆粒水和剤(2000倍希釈)です。(3回目)
ブルーベリーの様子
また,前回の記録から約1ヶ月間あきましたが特に成長している様子はありませんでした。
天候としては,8月の猛暑日は和らぎ,30~35℃までの真夏日が続いており,ブルーベリーが成長するためには良い環境といえます。
チャンドラーを観察すると,葉焼けすることなく深い緑色の葉になっていました。
多少ですが,葉が害虫に食害された後がありますね。
おそらくコガネムシ類だと思います。
鉢の手前には潜られたような後があるので,もしかしたら産卵していたのかもしれませんね。
水やりの間隔
水やりの間隔は,9月18日までは「1日に1回5分間」でしたが,9月18日に最高気温が30℃未満となっていたので9月19日から「2日に1回5分間」に変更しました。
10月11日にミスティの様子を送ってもらった
2020年10月11日,実家の人にお願いして,ミスティを撮影して写真を送ってもらいました。
ブルーベリーの様子
また,前回の記録から約3週間あきましたが変わった様子はありません。
天候としては,25~30℃までの夏日が続いており,雨は数日だけですので,ブルーベリーが成長するためには良い環境といえます。
根だけでも成長していることを祈るばかりです。
水やりの間隔
水やりの間隔は,変わらず「2日に1回5分間」です。
10月16日はΦ45のナーセリーポットへ鉢増し
2020年10月16日,チャンドラーの成長が既に止まっていましたが,根の様子を確認するとこちらは問題ないようだったので鉢増しすることにしました。
ブルーベリーの様子
1シーズンで成長したチャンドラーがこちら。
4月から7月頃まで順調に成長していましたが,夏を迎えた時点で成長が止まっていました。
おそらく,ノーザンハイブッシュ系は夏の暑さに負けてしまったのだと思います。
10号スリット鉢から45Φナーセリーポットへ鉢増し
根だけでも成長したチャンドラーにとって,10号スリット鉢はそれなりに窮屈になってきましたので,直径45cmのナーセリーポットへ鉢増しすることにしました。
根を確認すると,スリット鉢全体にまわっており,しっかりと成長が確認出来ますね。
鉢増し時の用土は,変わらずピートモス:もみ殻=1:1の配合です。
そこへコガネムシ類の幼虫対策として,ダイアジノン粒剤5を混ぜてしっかりと水を含めると完成です。
直径45cmのナーセリーポットに用土を入れて,チャンドラーを乗せ,側面に用土を隙間なく詰め,支柱で枝を固定すれば完成です。
これでチャンドラーは,十分立派なブルーベリーの樹へと成長しましたね。
他の品種と比べてもあまり成長が早いとは言えませんが,2シーズンでなんとかここまで育つようです。
水やりの間隔
水やりの間隔は,10月15日までは「2日に1回5分間」でしたが,最高気温が25℃未満となっていたので10月16日から「3日に1回5分間」に変更しました。
まとめ
ブルーベリーのチャンドラー2年生苗を苗木屋のオンラインショップである「苗木部 花ひろばオンライン 」で購入し,2年目のシーズンとなる3年生苗を庭で鉢植え栽培をした時の成長の様子を紹介しましたがいかがでしたか?
1年間の作業内容と,使用した農薬・肥料,水やりの間隔,用土の配合といった条件を紹介した上で,チャンドラーが1年間でどうやって成長していったか,気になる点は大体理解出来たかと思います。
果実の収穫量
チャンドラーの収穫量は,
6月14日,31g
6月21日,12g
で合計43gでした。
2年生苗を購入した2年後の収穫量としては,味見程度の量で物足りなく感じますが,その分立派な樹に成長しましたので,来年の収穫量に期待ですね。
1年間の肥料に含まれる窒素量
なお,1年間で与えた肥料の合計窒素含有量は約8.9gです。
他のブルーベリーが短い期間で成長したため多めに肥料をあげましたが,3年生苗に与える年間の合計窒素含有量は4~8gですので,3回目の追肥は必要なかったですね。
昨年から改善した栽培計画でも成長にはあまり影響しなかった
2019年の栽培計画で実際育ててみた結果,分かった課題は以下の3点でした。
- 農薬を使った害虫対策は必要
- 肥料の成分によって成長に差があるかも
- 水やりは過湿気味だったので間隔をあける
実際に行った改善策は,根の成長を促したものの,枝葉の成長には影響しませんでした。
2020年は立派な樹へと成長してくれましたが,期待した程ではなかったですね。
2019年4月1日に撮影 2020年2月8日に撮影 2020年10月16日に撮影
無農薬栽培にこだわらず農薬を使用したのが良かった
ブルーベリーは,害虫の被害が少ないという書籍の情報を鵜呑みにした結果,2019年は害虫による葉の食害によって,かなり成長が阻害されてしまいました。
ということで,まず2019年10月に農薬を散布するための噴霧器を購入しました。
次に必要な農薬として以下の農薬を順次購入して使用しました。
農薬名 | 害虫名 | 希釈倍率 | 使用回数 | 使用可能日 |
ベニカ水溶剤 | アブラムシ | 2000倍 | 3回 | 収穫45日前まで |
オレート液剤 | アブラムシ | 100倍 | 回数制限なし | 収穫前日まで |
デルフィン顆粒水和剤 | イラガ | 1000倍 | 回数制限なし | 収穫前日まで |
マシン油乳剤 | カイガラムシ類 | 12~14倍 | 回数制限なし | なし |
ダイン(展着剤) | なし | 1Lに0.3ml | 回数制限なし | なし |
ダイアジノン粒剤5 | コガネムシ類幼虫 | なし | 2回 | 収穫14日前まで |
上記の6種類で十分な害虫対策となり,葉や根の食害を防ぐことができ,樹の成長に貢献出来たと思います。
肥料は有機肥料と緩効性化成肥料の組み合わせが2020年はベストだった
肥料については,2019年に検討した結果分かったこととして,
- 緩効性化成肥料のみ与えたチャンドラー
- 有機肥料のみ与えた別の品種
を比較すると,枝葉全体はチャンドラーの方が成長面で勝っていましたが,根の成長は別の品種に負けていました。
よって,有機肥料のみ与えた別の品種に対し,2020年は化成肥料のみ与えた場合と,更に別の品種で有機肥料+化成肥料を与えた場合による成長の違いを調べてみました。(チャンドラーは変わらず化成肥料のみですね)
その結果,化成肥料のみ与えた品種は,根の成長が良い状態のままで,枝葉の成長は格段に良くなりましたので,有機肥料のみ与えた場合よりも優れていることが分かりました。
チャンドラーは,それ以外の条件も変えた結果,根の成長スピードは改善されたものの,同じノーザンハイブッシュ系のスパルタンでは変わらなかったため,根の成長に対しては有機肥料と化成肥料で有意な差はみられないことが分かり,接木の下側にあるラビットアイ系統の根の成長スピードが遅いという結論としました。
また,化成肥料のみ与えた品種の中でも,収穫後に速攻性化成肥料をあげた品種は7月以降の成長が良かったので,樹勢の回復を早くする肥料の構成は有効かと思います。
なお,2020年に最も成長した肥料の組み合わせは,元肥に有機肥料,追肥に緩効性化成肥料という組み合わせでした。
ただし,樹勢が良い品種だったので,品種特性かもしれません。
よって,2021年はチャンドラーも有機肥料+緩効性化成肥料の組み合わせにして成長の変化をみようと思います。
有機肥料 緩効性化成肥料
2021年の収穫は,味見程度に控えて成長を優先したいと思います。
水やりの間隔は乾燥ぎみとした方が良い
2019年の水やりのスケジュールでは,水やりが過剰であったため鉢内が過湿気味だった反省を活かし,2020年の水やり間隔は乾燥気味となって根の成長を促せるよう調整したところ,チャンドラーにとっては良い環境だったのか根の成長を促進出来ました。
根の成長速度が影響するのは用土かもしれない
ただし,水やりの間隔をあけて乾燥ぎみに育て,肥料は化成肥料をあげるという条件はそのままでも,スパルタンは根の成長が遅く,チャンドラーは早くなりました。
サザンハイブッシュ系のミスティでも,水やりの間隔をあけて乾燥ぎみに育て,肥料は化成肥料をあげるという条件はそのままで,用土を「ブルーベリーの土」から「ピートモス:もみ殻=1:1の配合用土」に変えた結果,根の成長が促進しました。
よって,根の成長速度に影響を与えるのは用土かもしれませんね。
どちらにしても多少成長促進されたとはいえ,まだまだ枝葉が充実していないので,2021年の収穫は味見程度に控えようと思います。
チャンドラーの栽培は特大の果実を食べたい人にオススメ
チャンドラーは,ノーザンハイブッシュ系で最大の果実がとれ,果実品質が優れています。
しかし,鉢植えで他の品種であれば上手く成長してくれる栽培方法ですが,チャンドラーは思ったより育っておらず,上手い栽培方法を見つけることが出来ていないため,これからブルーベリーを育ててみようと思う方には個人的にオススメ出来ない品種です。
やはりある程度経験を積んだ上で,上手く育たなかった時の改善方法を独自で模索できるような方で,それでも特大の果実を食べたい人にオススメします。
この記事を読んでみて,ブルーベリーのチャンドラーを育ててみようと思って貰えたら幸いです。
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