管理人がバス釣りで使用しているスピニングロッド「ダイワ 17エアエッジ・E 621ULS-ST・E」を紹介します。
目次
プロアングラーとデザイナーが共に現場で磨き上げたバーサタイルモデル
概要
ダイワのバスロッドとして2013年に発売された「AIREDGE (エアエッジ)」を,4年の月日をかけて2017年にモデルチェンジした「AIREDGE (エアエッジ・E)」。
位置付けとしては,ブラックレーベルとクロノスの間にあたり,中価格帯の中でも下のランクに位置します。ラインナップは,ベイトキャスティングモデルが8アイテム,スピニングモデルが6アイテムの全14アイテムと,様々なシーンで使用が想定されるバーサタイルモデルに仕上がっています。
そのなかでスピニングロッドのUL・ソリッドティップモデルとして発売されたのが本機種。「621ULS-ST・E」のインプレはネットで検索しても,スペックや機能のみ記載している記事や,釣具屋のネット通販ばかりに繋がりますね。
なかなか実際に使用しているタックルインプレッションの記事にたどり着くことは出来ないまま,釣具屋で現物を確認して2017年4月に購入しました。
なお,2017年11月現在においても,「621ULS-ST・E」のタックルインプレッションは見つかりませんでしたので,あまりこの価格帯のバスロッドを記事にする人は少ないかもしれませんね。
それでは,次にスペックを見てみましょう。
スペック
品番 | 621ULS-ST・E | |
全長(m) | 1.88 | |
継数(本) | 1 | |
仕舞寸法(cm) | 188 | |
自重(g) | 89 | |
先径/元径(mm) | 0.9(0.8)/8.9 | |
ルアー重量 | (g) | 0.9-5 |
(oz) | 1/32-3/16 | |
適合ライン | (lb) | 3-6 |
カーボン | 含有率(%) | 98 |
本体価格(円) | 23,700 |
引用元:ダイワ「エアエッジ・E」
スペックで特筆すべきところは特にありませんね。バスロッドはUL・L・ML・M・MH・H・XHといったように既にメーカー毎に完成された規格があるかと思いますので,ダイワのULクラス同士でスペックに違いが生まれにくく,上位機種と下位機種で何か比較することはないでしょう。
例えば,シマノの同じ価格帯のバスロッドといえば,エクスプライドになると思いますが,スペックで比較しても差が分かりづらいです。
よって,このエアエッジ・Eの「621ULS-ST・E」だったら,全長1.88m(6’2フィート)で,ルアーは5g(3/16oz)まで,ラインは6lb.まで扱えて,自重が89gと軽い機種なんだという程度に捉えるくらいでいいと思います。
ちなみに,シマノから2017年に発売されたエクスプライド「264UL」の価格は26,000円と,少し高めの価格設定にしています。なお,「シマノ 17エクスプライド 166M」のインプレ記事はこちら
次は,スペック表には現れないこのロッドに使用されたダイワ独自の技術について紹介します。
ダイワテクノロジー
X45
竿は操作時・やり取り時など一連の動きの中で目に見えない「ネジレ」が発生し、操作性やパワーの低下などを引き起こす。こうしたネジレ防止の最適角度である±45°のバイアスクロスを巻きつけることでネジレを徹底的に防ぎ、操作性・パワー・安定性を向上させ、ロッドの性能を飛躍的にアップさせるダイワ独自のテクノロジー。
引用元:ダイワ「エアエッジ・E」
エアエッジ・E「621ULS-ST・E」は特にライトなロッドにも関わらず,大型のブラックバスでもドラグを出すまでもなく寄せるだけのパワーを持っています。この技術によるところが大きいのでしょう。
2017年4月に購入し,5・6・7月の3ヶ月間だけで40up以上を10本以上この竿で仕留めていますが,魚とのやりとりの中でロッドのパワーに不安は一切ありません。
メガトップ
繊維と樹脂が均一に分散するカーボンソリッドであり、360°どの方向にも同様の曲がりを見せる。さらに通常のカーボンソリッドに比べて強度が飛躍的に向上。これにより細径で柔軟、ハイテーパーな穂先を作ることが可能になっている。カーボン素材特有の手に響く感度(=手感度)は元より、穂先に現れる視覚的感度(=目感度)も大幅に向上。
引用元:ダイワ「エアエッジ・E」
このモデルの先径は0.9mmと非常に細いです。このような技術によって高められた強度があって,実現した感度の良さによって今までの釣果をもたらしてくれていると思うと,ありがたい技術ですね。
穂先を触ってみると,折れそうな細さなのに非常にしっかりしていて,想定される使用の範囲で魚に折られることはないと思えるくらいです。まぁ本気で折ろうと思えば簡単に折れてしまうでしょうが…
高密度HVFカーボン
ロッド性能に最も影響を与えるカーボンシートにおいて、ダイワはカーボン繊維そのものの高弾性化はもちろん、カーボン繊維を取りまとめる接着剤的な樹脂(レジン)量に着目。贅肉とも言えるレジンの量を減らして代わりにカーボン繊維の密度を高めた「高密度HVFカーボン」はより筋肉質でパワフル。強さと粘りを必要とするロッドに最適な素材となっている。
引用元:ダイワ「エアエッジ・E」
カーボンシートの質がロッド性能に影響をあたえることは分かります。
ただ,実際にカーボンシートを作っているのは,おそらく東レや帝人といった大手炭素繊維メーカーであって,ダイワが作っているわけではなく,レジンの量を減らして代わりにカーボン繊維の密度を高めた仕様のカーボンシートを作ってくれ,とダイワがメーカーに依頼しただけなのではないでしょうか?
それをダイワテクノロジーと言って「高密度HVFカーボン」という名前までつけるのは少し疑問ですね。
BRAIDING X
チューブラーブランクの全身の最外層をカーボンテープでX状に締め上げることで、ロッド操作時のパワーロスにつながるネジレを抑制するための強化構造。細くても高い強度を確保し、持ち重り感を低減することで操作性が向上している。
引用元:ダイワ「セオリー」
トップ以外の全体にカーボンテープがX状に巻かれているのは,手で触るとデコボコしていてよくわかります。シマノでいうところの「ハイパワーX」ですね。
ブランクスの外側にカーボンテープを巻く意味は,きっとロッドを部分的に固くすることでハリを持たせるということなのでしょう。
実釣を通しての感想
直近で使用した釣行は,2017年9月に琵琶湖でブラックバスが釣れたときですね。
ただし,その日は記録を残していませんでしたので,2017年6月の釣行動画を参考にしてください。
このとき釣れたのが,50cm,2kgのブラックバスですが,まったく問題なく余裕でやりとりすることが出来ました。
特にロッドを一定の角度にして溜めているだけで魚が浮いてくるので,全体的に細いロッドですが,パワーは十分備わっていると思います。
また,操作性も非常に良く,ノーシンカーやネコリグ,ダウンショットリグ,ジグヘッドワッキー等,5g(3/16oz)までのルアー(ライトリグ)であれば非常に快適に釣りが出来ました。
なお,この時使用したリール「ダイワ 17セオリー2506H」のインプレ記事はこちら
他にもこのロッドを使用して釣れたときのバスの写真を一部掲載しておきます。(本当はもっとありますが…)
1本の釣竿でこれだけのブラックバスが釣れればひとまず元は取ったかなと思っています。
ハイエンドモデルと比べれば性能は落ちるでしょうが,実釣には何の影響もなく,この竿では釣れなかったという経験もないため,価格と性能のバランスが良い(コスパが良い)製品だと思います。
個人的にバス釣りは4月から9月までと自分の中で決めているので,今シーズンのバス釣りは既に終了していますが,来シーズンでもエアエッジ・E「621ULS-ST・E」は大活躍してくれるでしょう。
まとめ
- 現場で磨き上げたバーサタイルモデル
- ダイワテクノロジーを多く搭載
- ULとは思えないロッドパワー
- コスパの良い性能・価格設定
- 実釣でも大活躍中
実売価格1万円台後半と手の出しやすい価格帯であり性能のバランスも良いのが本機種ですので,ライトリグ専用に1本バスロッドが欲しい人にはぜひオススメしたいロッドです。バスロッドとしては,これ以上の性能がなくても実は問題がないのかもしれませんね。
やっぱり,ハイエンドモデルのダイワのスティーズやシマノのワールドシャウラが欲しい!!という人には特にオススメしませんし,下位機種のダイワのクロノスやシマノのゾディアスで十分という人にも特にオススメしません。あとは個人の財布とプライドとの相談ではないでしょうか(笑)
私のタックルインプレッションが皆さんの参考にして頂ければ幸いです。
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