皆さんこんにちは。
おんきちです。
前回に引き続き12月25日にブルーベリーが休眠している様子を品種ごとに記録しましたので,ブルーベリーの休眠とともに,ブルーベリーの成長記録について紹介します。
また,少し写真が多いので前後編に分け,前編はラビットアイ系統とノーザンハイブッシュ系統の6品種で,後編はサザンハイブッシュ系統の6品種を紹介しますね。
目次
12月になるとブルーベリーは休眠期を迎える
12月になると,当地の外気温は最高気温15℃未満,最低気温0℃以上という状況です。
このような厳しい冬の環境に適応するため,落葉果樹が獲得した機能は休眠という手段です。
休眠期とは落葉から春まで成長が停止する期間
休眠期とは,ブルーベリーが秋に落葉してから春まで成長を停止させる期間を指します。
よって,12月から2月下旬から3月上旬頃まではひとまずブルーベリーがお休みすることになります。
休眠から目覚める時間は品種によって異なる
そして,春の気温上昇に伴い,ブルーベリーは成長を再開しますが,これを休眠覚醒と呼びます。
面白いのが,休眠から覚めるのに必要な低温の時間は,ブルーベリーの系統ごとに傾向が異なり,更に品種によっても違っています。
ノーザンハイブッシュ系は低温要求時間が長い
休眠から覚めるために必要な時間を低温要求時間と呼びます。
私が栽培しているラビットアイ系,ノーザンハイブッシュ系,サザンハイブッシュ系の3系統を比較すると,休眠から覚めるために最も長い時間が必要なのは,ノーザンハイブッシュ系です。
当地は比較的温暖な地域
当地の冬は,シーズンを通して最低気温が氷点下の日が数日程度で,多くの日の最低気温は0℃以上であるため,日本国内では比較的温暖な地域に属しています。
よって,2020年のような暖冬の年には,ノーザンハイブッシュ系にとって,休眠から覚めるのに必要な低温要求時間が足りず,休眠覚醒が上手く行かない可能性が考えられ,その結果,期待した収穫量を得られないかもしれません。
何年か栽培してみて,ノーザンハイブッシュ系が当地の環境に合わないと判断した場合は,処分の判断をするかもしれませんね。
霜害が発生する可能性に注意する
冬に数日とはいえ,氷点下を下回る日がありますので,霜害には注意が必要です。
特に,今年成長した新梢が最も被害を受けやすく,枯れてしまう可能性がありますし,鉢植え栽培ではより注意が必要で,朝早くの水やりは用土が凍ってしまいます。
そういった外的要因を踏まえながら,今月のブルーベリーの様子としてサザンハイブッシュ系の6品種について紹介します。
ブルーベリー成長記録
前回のラビットアイ系とサザンハイブッシュ系を紹介したときの記事はこちらです。
【ブルーベリー栽培】冬が訪れ落葉して休眠を始めました
また,11月の紅葉が始まったときの記事はこちらです。
【ブルーベリー栽培】サザンハイブッシュ系の紅葉が見頃を迎えました
今回も,品種ごとにしっかりと撮影して観察しましたので,それぞれの系統ごとに紹介しますね。
栽培中のブルーベリーの様子はというと,既に休眠しており落葉が始まっている品種がほとんどで,一部でほとんど紅葉していない品種がありましたが,花芽はしっかりと分化していました。
今回は,サザンハイブッシュ系の6品種を紹介します。
サザンハイブッシュブルーベリー
栽培しているサザンハイブッシュ系統の品種は,鉢植えの接木オニール(4年生),接木ミスティ(4年生),フロリダスター(4年生),フリッカー(4年生),プリマドンナ(4年生),スノーチェイサー(3年生)です。
4年生接木オニール
鉢植えの接木オニール(4年生)は,紅葉が終わりほとんど落葉していました。
じっくりと樹形を観察したところ,元気いっぱいの苗らしく,内向き,交差,平行枝,と非常に剪定しがいのある枝でした。
500g~1kg程度の収穫が目標です。
結果枝に注目してみると,大きな花芽が見えますね。
枝の先端からたくさんの花芽が葉の根元から見えています。
大きなブルーベリーの果実をつくりたいので,結果枝を切り詰めて花芽は最終的に1本の結果枝につき2~3個程度にしようと思います。
4年生接木ミスティ
鉢植えの接木ミスティ(4年生)は,結局休眠期に入ってもまったく紅葉しませんでした。
落葉もしていませんね。
同じサザンハイブッシュ系でもミスティだけ異色の存在です。
じっくりと樹形を観察したところ,根元付近には枝があまりなく先端に多くの結果枝がありますね。
内向きの枝や交差している枝があり,ここから更に剪定していく必要があります。
500g~1kg程度の収穫が目標です。
結果枝に注目してみると,ミスティの品種特性である花芽をつけすぎるという特徴がみられ,たくさんの花芽が葉の根元から見えていますね。
ミスティは冬の剪定で3分の2程度の花芽を落とせば,樹勢を維持しながら収穫量も期待できます。
特にミスティは冬の剪定が重要になりますね。
4年生フロリダスター
鉢植えのフロリダスター(4年生)は,紅葉が終わり既に落葉していました。
じっくりと樹形を観察したところ,全体的に細い枝が少なくため1本1本の枝が太く,主軸枝となる太いシュートも発生しており,来年は収穫と成長がどちらも望める樹形でした。
700g~1.2kg程度の収穫が目標です。
結果枝に注目してみると,花芽と葉芽がバランス良くついており,冬剪定では花芽の数をほとんど減らす必要もなさそうです。
2020年は,果実品質の良いブルーベリーが収穫出来たので,このまま大切に育てたいと思います。
4年生フリッカー
鉢植えのフリッカー(4年生)は,すべての葉で紅葉して既に落葉し始めていました。
じっくりと樹形を観察したところ,今年の春に発生したサッカー5本は,残念ながらほとんど成長することなく3本は枯れてしまいました。
また,株元から細い枝がたくさん発生していますが,風通しが悪くなるため剪定対象となりそうです。
2020年7月24日に発生が確認できた根元からのシュートは,非常に太い枝となり将来の主軸枝としていこうと思います。
1kg以上が収穫目標です。
結果枝に注目してみると,先端に花芽が3~8個程度ついていました。
そのまま結実させればそれなりの収穫量は期待できますが,大きなブルーベリーの果実をつくりたいので,結果枝を切り詰めて花芽は最終的に1本の結果枝につき2~3個程度にしようと思います。
4年生プリマドンナ
鉢植えのプリマドンナ(4年生)は,11月時点で既に紅葉していましたがほとんど落葉しています。
じっくりと樹形を観察したところ,4年生にしては樹のボリュームがありましたが,落葉してしまえば細い枝が多いなぁという印象です。
また,内向き,交差,平行枝も多く,根元が混み合っていました。
ただし,主軸枝がしっかりしていますし,結果枝も多いので,翌シーズンは成長を促しながらも収穫量は期待できそうです。
1.5kg以上が収穫目標です。
結果枝に注目してみると,主軸枝から枝分かれしている結果枝には花芽が多くありますが,細い枝には花芽が1~2個くらいしかありませんでした。
外向きの収穫しやすい部分を残してあとは間引く必要がありそうですね。
それでも結果枝は多いので,かなりの収穫量が期待できそうです。
3年生スノーチェイサー
鉢植えのスノーチェイサー(3年生)は,完全に紅葉しており一部が落葉していました。
じっくりと樹形を観察したところ,残念ながら夏以降に発生した細いサッカーは枯れてしまいました。
左右の勢いが良い枝の3本を主軸枝として剪定をしていき,味見程度に花芽も残して成長を促し,来年を飛躍の年にしたいですね。
300~500g程度が収穫目標です。
結果枝に注目してみると,花芽が展開する寸前で休眠しているようです。
12月がもう少し暖かい日が続いていたら開花していたかもしれませんね。
冬の剪定時に花芽を減らそうとしていましたが,多めに残しておこうと思います。
栽培管理
12月の栽培管理は,落ち葉拾いと水やり,農薬散布です。
実際の作業内容は以下の記事で紹介しています。
【ブルーベリー管理】12月は水やりの設定変更と農薬の散布をしました
まとめ
ブルーベリーの休眠中の様子についてサザンハイブッシュ系を紹介しましたがいかがでしたか?
ブルーベリー栽培は,6月~8月の収穫を楽しむ時期が最も良いですが,冬の休眠期こそじっくりと観察して翌シーズンの成長を予想する大切な時期だと思います。
皆さんもぜひブルーベリーの休眠期に観察してみてください。
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