皆さんこんにちは。
おんきちです。
2020年の12月も下旬となり,本格的に冬の季節となってきました。
今回は,12月の管理として水やりの設定を変更し,農薬のマシン油乳剤を散布しましたのでその様子について紹介します。
目次
12月になるとブルーベリーは休眠期を迎える
12月になると,当地の外気温は最高気温15℃未満,最低気温0℃以上という状況です。
このような厳しい冬の環境に適応するため,落葉果樹が獲得した機能は休眠という手段です。
休眠期とは落葉から春まで成長が停止する期間
休眠期とは,ブルーベリーが秋に落葉してから春まで成長を停止させる期間を指します。
よって,12月から2月下旬から3月上旬頃まではひとまずブルーベリーがお休みすることになります。
休眠から目覚める時間は品種によって異なる
そして,春の気温上昇に伴い,ブルーベリーは成長を再開しますが,これを休眠覚醒と呼びます。
面白いのが,休眠から覚めるのに必要な低温の時間は,ブルーベリーの系統ごとに傾向が異なり,更に品種によっても違っています。
ノーザンハイブッシュ系は低温要求時間が長い
休眠から覚めるために必要な時間を低温要求時間と呼びます。
私が栽培しているラビットアイ系,ノーザンハイブッシュ系,サザンハイブッシュ系の3系統を比較すると,休眠から覚めるために最も長い時間が必要なのは,ノーザンハイブッシュ系です。
当地は比較的温暖な地域
当地の冬は,シーズンを通して最低気温が氷点下の日が数日程度で,多くの日の最低気温は0℃以上であるため,日本国内では比較的温暖な地域に属しています。
よって,2020年のような暖冬の年には,ノーザンハイブッシュ系にとって,休眠から覚めるのに必要な低温要求時間が足りず,休眠覚醒が上手く行かない可能性が考えられ,その結果,期待した収穫量を得られないかもしれません。
何年か栽培してみて,ノーザンハイブッシュ系が当地の環境に合わないと判断した場合は,処分の判断をするかもしれませんね。
霜害が発生する可能性に注意する
冬に数日とはいえ,氷点下を下回る日がありますので,霜害には注意が必要です。
特に,今年成長した新梢が最も被害を受けやすく,枯れてしまう可能性がありますし,鉢植え栽培ではより注意が必要で,朝早くの水やりは用土が凍ってしまいます。
そういった外的要因を踏まえながら,今月の管理内容について紹介します。
12月の管理内容
一般的な今月の鉢植え栽培における主な管理方法は,風通しがよくて明るい場所に置く,株元をきれいに掃除する,日中に水やりをする,です。
あと,場合によっては農薬散布もします。
12月の作業と管理の予定は以下の記事でも紹介していますので,併せて読んでみてください。
【ブルーベリー栽培】12月の作業と管理について
株元をきれいに掃除した
冬は病害虫の発生自体はありませんが,紅葉が終わった後の落ち葉がある場合,落ち葉と鉢土の間に潜んでいる場合があります。
そうなると病原菌や害虫が越冬してしまいますので,株元は常にきれいにしておく必要があり,落ち葉が残っている場合は掃除をしましょう。
我が家の庭では,庭植えのホームベルと鉢植えの接木ミスティを除く3系統10品種では,すでに一部が落葉しており,ご覧のとおり落ち葉がたくさんありましたので,株元の掃除をしました。
水やりの設定を変更した
水やりの間隔は表土が乾いたらが基本で,水の量は鉢底から流れ出るまでたっぷりとやります。
冬の休眠期はブルーベリーの水の要求量はほとんどなくなるため,水やりの間隔はあけて問題ありません。
12月13日,最高気温が10℃を下回ったので休眠期になったと判断し,水やりタイマーの間隔を「3日に1回7時から5分間」から「7日に1回9時から5分間」へ設定を変更しました。
農薬のマシン油乳剤を散布した
基本的な管理方法は上記項目に加え,カイガラムシ類を見つけましたので農薬としてマシン油乳剤を散布しました。
カイガラムシ類を見つけたらマシン油乳剤を散布
カイガラムシ類は,体の表面がロウ状の物質や硬い殻で覆われた小さな成虫や幼虫が,枝に張り付いて樹液を吸って生きています。
少量見つけたら,歯ブラシなどでこすり落とせばいいですが,大量に見つけた場合は迷わず農薬のマシン油乳剤を散布しましょう。
農薬は噴霧器を使って散布
一般的に農薬を散布するときは,噴霧器を使用します。
必要な道具は以下のとおりです。
- 噴霧器
- 農薬
- 計量カップ
- 漏斗(ろうと,じょうご)
噴霧器は,価格が手頃な蓄圧式です。
庭がそこまで広くないので,4Lもあれば十分ですね。
使用した農薬は,キング95マシン油乳剤を使用しました。
これは「落葉果樹」として登録されている農薬ですので,ブルーベリーにも使用することができます。
希釈倍率は12倍~14倍です。
あとは,計量カップを使って,マシン油乳剤300mlを計って水3.7Lとともに漏斗を使って噴霧器に入れて混ぜたら,13.3倍の希釈倍率となった4Lの農薬の出来上がりです。
蓄圧式噴霧器は手動で40回程度ポンピングしたら,細かい水滴となって農薬を散布することができます。
今回調製した4Lの農薬ですと,庭植えのホームベル1本と鉢植えの3系統11品種のブルーベリーに散布するには少し多いくらいの量ですので,3Lくらいでも大丈夫かと思います。
マシン油乳剤は有機栽培にも使用できる
農薬とは言いますが,マシン油乳剤は機械の注油に使用されるマシン油に乳剤を加えて水に溶けるようにしただけのものですので,散布すればブルーベリーは油まみれになるだけです。
油が付着した害虫は気門を塞がれて窒息死するという作用ですので,農薬の耐性がつくこともありませんし,有機栽培用の農薬でもあります。
また,カイガラムシ類を見つけたらいつでも散布していいものではなく,ブルーベリーが成長している時期に散布すると,成長を阻害してしまいますので,こういった休眠期に使用する必要がありますね。
シャクトリムシを発見した
マシン油乳剤を散布中に,サザンハイブッシュ系のプリマドンナにシャクトリムシが付いていました。
シャクトリムシは枯れた枝に擬態している面白い虫ですので,見つけるのが難しいです。
また,冬に花芽を食害する害虫でもあるので見つけたら駆除しています。
ちなみに,登録農薬としては,カイガラムシ類に効くということですが,試しにシャクトリムシへマシン油乳剤をかけてみたところ,数分後に枝から落ちて苦しそうにしていました。
冬に活動している害虫全般に効きそうですね。
まとめ
2020年のブルーベリー栽培において,12月の管理内容として水やりの間隔の設定やマシン油乳剤の散布について紹介しましたがいかがでしたか?
冬でも害虫は休んでくれませんので,大切なブルーベリーを守るためには,落ち葉の除去や農薬散布は欠かせませんね。
次回は,冬の剪定を紹介します。
皆さんもブルーベリー栽培を楽しんで下さい。
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