皆さんこんにちは。
おんきちです。
今回は2019年に2年生苗として購入したブルーベリーのオニールが無事成長して4年生苗となり,2020年11月から始まる2021年シーズンはどう成長していったかを紹介します。
目次
オニールはサザンハイブッシュ系統の基準となっている品種
オニールは,アメリカのノースカロライナ州立大学とアメリカ連邦農務省が共同で育種したサザンハイブッシュブルーベリーです。
サザンハイブッシュ系統は関東地方以西での栽培が適している
サザンハイブッシュブルーベリーは,ノーザンハイブッシュ系からつくられた新しい系統で,ノーザンハイブッシュ系よりも暑さに強く,成長が早い品種が多いという特徴を持っています。
また,ノーザンハイブッシュ系と同じく,果実が大きく,味と香りのよい品種が多くあり,ラビットアイ系より早く収穫出来るという特徴もあります。
冬が-10℃以下になる地域では,生育不良になるとのことで,関東地方以西での栽培が適しているようです。
サザンハイブッシュ系統は比較的新しい
樹勢が良いため成長が早く,収穫量が多いというメリットがありますが,最も古い品種の一つがシャープブルーという品種で,1975年に発表されており,比較的新しい系統です。
例えば,ノーザンハイブッシュ系統では,1936年に発表されたウェイマスがありますし,ラビットアイ系統では,1955年に発表されたホームベルがありますので,サザンハイブッシュ系統は20年以上新しい品種ですね。
つまりまだまだ完成された品種がないため,どんどん新しい品種が育種されており,発展途上の系統といったイメージです。
その中でオニールは基準となる品種
その中でも1987年に発表されたオニールは,サザンハイブッシュ系統の中では古い品種であり,サザンハイブッシュ系統の基準ともなっている優良品種でもあります。
そんなオニールの苗木としての特徴は,
- 樹勢が良い
- 収穫時期が早い
- 収穫量が多い
ということが挙げられます。
また,果実品質の特徴はというと,
- 大粒
- 甘い
- 風味が良い
の3点が挙げられますね。
ということで,サザンハイブッシュ系統を育てるのであれば,真っ先に候補としてあがるほど有名かつ王道の品種です。
残念ながら,現在のアメリカでサザンハイブッシュ系統の標準品種といえば,フロリダスターということですので,既に役目を果たした古い品種という扱いかもしれません。
しかし,最新品種と比べても,簡単に入手出来る割には果実の品質が良く,名前が知られている品種という扱いですので,評価されているということでもありますね。
大関ナーセリーからの評価
日本国内での苗木販売会社である「大関ナーセリー」のホームページから引用すると,
成熟期 早生 6月上旬~中旬 樹姿 低温要求量は400~500時間 半直立性 樹勢は強い 果実 大粒 果形は扁円形 果皮は青色 果柄痕の状態は良い 甘味がある 収穫量 多い ◆アメリカ連邦農務省とノースカロライナ州立大学(育成地はキャッスルヘイン農場)との共同育成。1987年に発表。
「ウルコット」と系統番号「Fla4-15」との交配。
◆サザンハイブッシュブルーベリー
東北南部から四国、九州、沖縄までの、寒冷地を除く地域に向きます。
栽培のポイント
・酸性土壌(pH4.5~5.2)を好みます。
・酸度未調整のピートモス等をたっぷり混ぜて、土壌改良をしてから植え付けてください。
・自家受粉しない品種が多いので、異なる品種をお近くに植え付けてください。
引用元:大関ナーセリー「オニール(O’Neal)」
ということで,一般的な品種という認識になっており,これといって一押しの品種という評価ではないようで,記載内容も少ないですね。
また,オニールはアメリカパテント(米国特許)品種でもなければ,日本国内の種苗法による登録品種でもない,一般品種です。
ということもあって,近所のホームセンターでも探せば大抵販売されているため入手しやすいというのも特徴ですね。
オニールの2年生苗は簡単に入手出来た
私自身は2012年にブルーベリー栽培を始めた当初はラビットアイ系統からスタートしており,サザンハイブッシュ系統は2019年からの栽培です。
2012年当時,利用したのは近所のホームセンターで売れ残っていて安売りしていた苗木でしたが,今回は苗木屋から購入しようと思い,2019年2月に「大関ナーセリー」のオンラインストアを覗いてみたところ,時期が悪かったため売り切れとなっており,代わりにYahooショッピングに出店している「苗木部 花ひろばオンライン 」で在庫ありとなっていたので,購入することにしました。
すぐに注文したところ,問題なく届きました。
2019年2月に購入したオニールの2年生苗が届く
2019年2月,「苗木部 花ひろばオンライン 」からオニールの2年生接木苗が届きました。
オニールは15㎝ポット仕立てで届き,苗木としては十分なサイズで送られてきており,根もしっかりと張っていました。
おそらくですが,2017年3月に接木をしたものを2018年10月に2年生苗として出荷していた苗の残りを2019年2月に購入しているはずですので,2019年3月以降は新3年生苗となるはずです。
2019年の栽培記録
オニールの2年生苗が届いてから,2019年2月から2020年2月までの1年間育てた時の栽培記録は,以下の記事で紹介しています。
2年生苗ブルーベリーのオニールが1年間でどう成長していったか記録しました
2年生~3年生苗だった2019年栽培記録では課題も多かったので,どこで失敗したかの参考になるかもしれませんね。
2020年の栽培記録
更にオニールが3年生苗となり,2020年2月から2020年10月までの1シーズン育てた時の栽培記録は,以下の記事で紹介しています。
3年生苗ブルーベリーのオニールが1年間でどう成長していったか記録しました
2020年シーズンは2019年の時に分かった課題を踏まえた栽培計画ですので,オニールが非常に大きく成長してくれました。
そして,2020年10月に成長が止まりオニールが4年生苗となりましたので,3年生苗として2020年シーズンの栽培記録はここまでとし,2020年11月以降は2021年シーズンとしました。
2021年シーズンの栽培計画
2021年シーズンの施肥計画を作りましたので紹介するとともに,オニール(4年生)がどのくらいの収穫量を見込んでいるのか,どれくらい成長することを期待しているのか紹介しますね。
施肥計画
2020年は成長を優先した施肥計画に加え,有機質肥料と速攻性化成肥料,緩効性化成肥料の3種類に分類される肥料を使って,他の品種とともに成長の比較をしました。
その結果,最も成長した肥料の組み合わせを2021年ではすべての品種で試し,収穫をメインとした施肥計画に切り替えていきます。
2021年シーズンにおけるオニールの施肥計画は以下のとおりです。
品種 | 樹齢 | 2月中旬(元肥) | 5月中旬(追肥) | 7月中~下旬(礼肥) | 合計チッ素成分量 |
接木オニール | 4年生 | 油かす 80g(N=4g) | IB化成 30g(N=3g) | IB化成 30g(N=3g) | N=10g |
予想収穫量
次に,私が予想した2021年シーズンの予想収穫量は以下のとおりです。
系統 |
品種 | 樹齢 | 花芽の数 | 花芽1個あたりの収穫量 | 予想収穫量(✕80%) |
SH | オニール | 4年生 | 210個 | 30g | 5,040g |
なお,オニールの花芽の数は12月の剪定後に残っている状態のままカウントしており,2月の剪定で花芽の数を120~150個程度に調整する予定です。
よって,予想収穫量は2,880~3,600g程度になると予想しています。
成長予想
2021年シーズンにおけるオニールの成長を予想すると,3kg程度の収穫を見込んでいるものの,樹勢は衰えることはなく,樹高は1.8m程度,樹冠も直径1.8m程度まで成長すると見込んでいます。
2020年11月-2021年10月の栽培記録
さて,ここからは2021年シーズンの栽培記録です。
2020年11月は完全に紅葉していた
ブルーベリーの様子
2020年11月21日,オニールは,完全に紅葉していました。
多少ですが落葉もみられます。
オニールの主軸は3本で,枝はかなり充実しているので,剪定はあまり悩まなくても済みそうです。
残念ながら,今年成長した根元の主軸1本は枝分かれが悪かったのと,根元からのシュートが発生しなかったので,残りの2本から収穫を期待するしかありません。
来年は500g~1kg程度は収穫したいので,剪定時に花芽は積極的に残していこうと思います。
紅葉している枝に注目してみると,葉の色は暗い赤色ですね。
褐色といったところでしょうか。
また,既に花芽の分化は進んでおり,ほとんどの枝では花芽が出来ていました。
冬の剪定が待ち遠しいです。
11月の管理内容
11月の栽培管理は,植え替えと水やりです。
9月に植え替え済み
オニールは9月で植え替え済みですので,当月は特に作業することはありませんでした。
無事に10号スリット鉢から45Φナーセリーポットに鉢増し出来たので,成長は順調そのものです。
自動潅水機の電池交換をした
鉢植えの品種を写真撮影をしていたときに、鉢が軽いなと思っていたら、なんと自動潅水機であるタカギの「かんたん水やりタイマー」が電池切れを起こしていました。
前回記録した10月16日以降のいつから電池が切れていたのか分かりませんが、幸いにも水の需要が少ない紅葉の時期だったため、自然の降雨だけでもブルーベリーたちは枯れていませんでした。
2019年2月に購入してから初めての電池交換ですので、電池の寿命は1年8ヶ月くらいですね。
次回から余裕をもって1年半くらいで交換しようと思います。
2020年12月は休眠が始まっていた
ブルーベリーの様子
2020年12月25日,オニールは,紅葉が終わりほとんど落葉していました。
じっくりと樹形を観察したところ,元気いっぱいの苗らしく,内向き,交差,平行枝,と非常に剪定しがいのある枝でした。
500g~1kg程度の収穫が目標です。
結果枝に注目してみると,大きな花芽が見えますね。
枝の先端からたくさんの花芽が葉の根元から見えています。
大きなブルーベリーの果実をつくりたいので,結果枝を切り詰めて花芽は最終的に1本の結果枝につき2~3個程度にしようと思います。
12月の管理内容
株元をきれいに掃除した
冬は病害虫の発生自体はありませんが,紅葉が終わった後の落ち葉がある場合,落ち葉と鉢土の間に潜んでいる場合があります。
そうなると病原菌や害虫が越冬してしまいますので,株元は常にきれいにしておく必要があり,落ち葉が残っている場合は掃除をしましょう。
我が家の庭では,庭植えのホームベルと鉢植えの接木ミスティを除く3系統10品種では,すでに一部が落葉しており,ご覧のとおり落ち葉がたくさんありましたので,株元の掃除をしました。
農薬のマシン油乳剤を散布した
カイガラムシ類を見つけましたので農薬としてマシン油乳剤を散布しました。
また,散布しているとシャクトリムシも発見しましたので試しにマシン油乳剤をかけてみたら駆除することができましたので効果があるようです。
12月の作業内容
2020年12月29日に冬の剪定をした
2020年12月29日,オニールの全体の様子はこちらです。
元気いっぱいの苗らしく,内向き,交差,平行枝,と非常に剪定しがいのある枝でした。
十分立派な樹に成長しましたので,翌シーズンは本格的に収穫出来るような剪定をしていくことができます。
結果枝に注目してみると,先端には花芽がたくさん出来ており,不要な細い枝だけでなく,成長の邪魔となる枝を遠慮なく剪定したとしても十分な収穫量を確保できそうでした。
これなら花芽の数を調整して,果実を大きく実らせることも可能かと思います。
ある程度収穫を見込んでいるため,花芽を残して収穫量を期待していますが,成長もさせたいため,葉芽まで切り返し剪定していく箇所に作っていく必要はありますね。
ただし,これ以上成長させるとスペース的に困ってしまうため,コンパクトな樹形を維持できるとより良いと思います。
剪定後の様子は以下のとおりです。
不要な枝をバッサリと剪定したことで,すっきりとしましたね。
これで翌シーズンも成長しすぎることなく,コンパクトな樹形になるかと思います。
近づいて撮影してみると,これだけ細い枝を剪定してもまだまだたくさんの花芽が残っていますね。
ラビットアイ系とは異なり,ジャム用の果実としてではなく生食用として収穫する予定ですので,なるべく果実の大きさを意識しており,果実品質の優れたブルーベリーが収穫できるよう2月の剪定で花芽の数を減らしていきます。
成長するために必要なスペースはまだありますので,根元からシュートが発生してくれると良いですね。
残った主軸枝の数,枝の数,花芽の数
今回の剪定で主軸枝の数,枝の数,花芽の数は以下のとおりです。
- 主軸枝…3本
- 結果枝…55本
- 花芽…210個
約200個程度の花芽を残していますが,結果枝1本につき花芽を3個までとし,2月の剪定で花芽の数を120~150個程度に調整し,同じ4年生の鉢植え栽培しているサザンハイブッシュ系やラビットアイ系とではどれくらい収穫量が違うのか観察してみようと思います。
まとめ
ブルーベリーのオニール(4年生)の2020年11月から現在までの最新の成長記録を紹介しましたが,いかがでしたか?
これまでの作業内容と,管理内容,栽培方針など気になる点は大体理解出来たかと思います。
2021年10月までは記事を更新していく予定です。
この記事を読んでみて,オニールを育ててみようと思って貰えたら幸いです。
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