皆さんこんにちは。
おんきちです。
今回は2019年に2年生苗として購入したブルーベリーのスパルタンが無事成長して4年生苗となり,2020年11月から始まる2021年シーズンはどう成長していったかを紹介します。
目次
スパルタンはブルーベリーの王道品種
スパルタンは,アメリカ連邦農務省が育種したノーザンハイブッシュブルーベリーです。
ノーザンハイブッシュ系統は寒冷地での栽培が適している
ノーザンハイブッシュ系統の特徴は,寒冷地に適した系統であり,果実が大きく,味と香りのよい品種が多くあるということです。
また,ラビットアイ系統より早く収穫出来るという特徴もあります。
残念ながら冬が温暖な地域では不向きで関東地方より北での栽培が適していますので,関東以南の地域ではそのまま育てるのは難しいようで自根ではなく,接木苗による栽培をする等の工夫が必要になります。
ブルーベリーといえばスパルタンというほど王道の品種だが育てるのは難しい
スパルタンは1977年に発表された品種で,ブルーベリーといえばスパルタンと言われるほど王道で,非常に果実品質が優れています。
そんなスパルタンの苗木としての特徴は,
- 樹勢が中位
- 収穫時期が早い
- 土壌適応性が低い
ということが挙げられます。
また,果実品質の特徴はというと,
- 大粒
- 食味が良い
- 風味が非常に良い
の3点が挙げられますね。
大粒で味と風味が良ければ,他にブルーベリーの果実に求められる特徴はいらないでしょう。
それだけではなく,ブルーベリー本で品種紹介される際には,育てるのは難しいという評価が多いです。
特に土壌適応性が低く,土壌pHや施肥管理がシビアでかなり取り扱いが難しいという特徴が非常に厄介で,最初に選ぶ品種としては不向きかもしれないですね。
しかし,最新品種と比べても,簡単に入手出来るにも関わらず,今でも果実の品質が非常に良く,名前が知られている品種ですので,一度はチャレンジしてみる価値があります。
大関ナーセリーからの評価
日本国内での苗木販売会社である「大関ナーセリー」のホームページから引用すると,
成熟期 早生 6月上旬~中旬 樹姿 直立性 樹勢は中位 樹高は180cmくらい 成熟期がそろう 果実 特大 果形は円形から扁円形 果皮は明青色 果柄痕の状態は中位 風味は特に良い 収穫量 中程度 ◆アメリカ連邦農務省の育成。1977年に発表。
「アーリーブルー」と系統番号「US11-93」との交配。
<< 特大の果実で、風味が非常によい >>
◆ノーザンハイブッシュブルーベリー
北海道、本州、九州の夏比較的涼しい地域に向きます。
栽培のポイント
・酸性土壌(pH4.5~5.2)を好みます。
・酸度未調整のピートモス等をたっぷり混ぜて、土壌改良をしてから植え付けてください。
・1品種でも自家受粉しますが、異なる品種をお近くに植え付けたほうが、いくぶん収量が増し、果実も大きくなり熟期も早まります。
ということで,大関ナーセリーのように最新品種を数多く取り揃えている種苗業者でも,スパルタンの果実は特大で風味が非常によいという評価を受けており,果実品質は間違いありませんね。
また,スパルタンはアメリカパテント(米国特許)品種でもなければ,日本国内の種苗法による登録品種でもない,一般品種です。
ということもあって,近所のホームセンターでも探せば大抵販売されているため入手しやすいというのも特徴ですね。
スパルタンの2年生苗は簡単に入手出来た
私自身は2012年にブルーベリー栽培を始めた当初はラビットアイ系統からスタートしており,ノーザンハイブッシュ系統は2019年からの栽培です。
2012年当時,利用したのは近所のホームセンターで売れ残っていて安売りしていた苗木でしたが,今回は苗木屋から購入しようと思い,2019年2月に「大関ナーセリー」のオンラインストアを覗いてみたところ,時期が悪かったため売り切れとなっており,代わりにYahooショッピングに出店している「苗木部 花ひろばオンライン 」で在庫ありとなっていたので,購入することにしました。
すぐに注文したところ,問題なく届きました。
2019年2月に購入したスパルタンの2年生苗が届く
2019年2月,「苗木部 花ひろばオンライン 」からスパルタンの2年生接木苗が届きました。
スパルタンは15㎝ポット仕立てで届き,苗木としては十分なサイズで送られてきており,根もしっかりと張っていました。
おそらくですが,2017年3月に接木をしたものを2018年10月に2年生苗として出荷していた苗の残りを2019年2月に購入しているはずですので,2019年3月以降は新3年生苗となるはずです。
2019年の栽培記録
スパルタンの2年生苗が届いてから,2019年2月から2020年2月までの1年間育てた時の栽培記録は,以下の記事で紹介しています。
2年生苗ブルーベリーのスパルタンが1年間でどう成長していったか記録しました
2年生~3年生苗だった2019年栽培記録では課題も多かったので,どこで失敗したかの参考になるかもしれませんね。
2020年の栽培記録
更にスパルタンが3年生苗となり,2020年2月から2020年10月までの1シーズン育てた時の栽培記録は,以下の記事で紹介しています。
3年生苗ブルーベリーのスパルタンが1年間でどう成長していったか記録しました
2020年シーズンは2019年の時に分かった課題を踏まえた栽培計画でしたが,スパルタンだけは期待した成長をみせてくれませんでしたね。
そして,2020年10月に成長が止まりスパルタンが4年生苗となりましたので,3年生苗として2020年シーズンの栽培記録はここまでとし,2020年11月以降は2021年シーズンとしました。
2021年シーズンの栽培計画
2021年シーズンの施肥計画を作りましたので紹介するとともに,スパルタン(4年生)がどのくらいの収穫量を見込んでいるのか,どれくらい成長することを期待しているのか紹介しますね。
施肥計画
2020年は成長を優先した施肥計画に加え,有機質肥料と速攻性化成肥料,緩効性化成肥料の3種類に分類される肥料を使って,他の品種とともに成長の比較をしました。
その結果,最も成長した肥料の組み合わせを2021年ではすべての品種で試し,収穫をメインとした施肥計画に切り替えていきます。
2021年シーズンにおけるスパルタンの施肥計画は以下のとおりです。
021年シーズンにおけるチャンドラーの施肥計画は以下のとおりです。
品種 | 樹齢 | 2月中旬(元肥) | 5月中旬(追肥) | 7月中~下旬(礼肥) | 合計チッ素成分量 |
接木スパルタン | 4年生 | 油かす 80g(N=4g) | IB化成 30g(N=3g) | IB化成 30g(N=3g) | N=10g |
予想収穫量
次に,私が予想した2021年シーズンの予想収穫量は以下のとおりです。
系統 |
品種 | 樹齢 | 花芽の数 | 花芽1個あたりの収穫量 | 予想収穫量(✕80%) |
NH | スパルタン | 4年生 | 60個 | 25g | 1,200g |
なお,スパルタンの花芽の数は12月の剪定後に残っている状態のままカウントしており,2月の剪定で花芽の数を25~30個程度に調整する予定です。
よって,予想収穫量は500~600g程度になると予想しています。
成長予想
2021年シーズンにおけるスパルタンの成長を予想すると,500~600g程度の収穫を見込んでいますが,あまり成長しないので枯れなければ何でも良いよという感覚になっています。
スパルタンという品種の果実品質は非常に評価が高かったため導入し,2020年シーズンは味見程度の収穫でしたが,非常に美味しい果実ができましたのでこれからも栽培していこうと思っており,なんとか枯れずに育ってくれれば良いなと思っています。
2020年11月-2021年10月の栽培記録
さて,ここからは2021年シーズンの栽培記録です。
2020年11月は一部で紅葉が始まる
ブルーベリーの様子
2020年11月21日,スパルタンは,
接木スパルタン(4年生)は,紅葉が半分程進んでいました。
完全に紅葉するのは12月の初旬くらいでしょうか。
スパルタンは2020年で最も成長しなかった品種です。
枝葉の成長も緩やかで,根の成長もゆっくりでした。
冬剪定はほとんど花芽の調整だけで終わりそう。
来年の施肥計画で上手く成長してくれれば良いですが…
紅葉している枝に注目してみると,葉の色は濃い赤色ですね。
鮮紅色といったところでしょうか。
ラビットアイとは色の種類が違っていました。
また,既に花芽の分化は進んでおり,早いものでは膨らんでいました。
冬に狂い咲きしなければ良いですが…
スパルタンは何かと心配な品種です。
11月の管理内容
11月の栽培管理は,植え替えと水やりです。
スパルタンは成長が遅く植え替えができなかった
スパルタンは枝葉の伸びが悪く根の成長も遅かったため,私が栽培している鉢植え栽培11品種の中で唯一2020年に鉢増しができなかった品種です。
2021年は10号スリット鉢から45Φナーセリーポットに鉢増しできると良いのですが…
自動潅水機の電池交換をした
鉢植えの品種を写真撮影をしていたときに、鉢が軽いなと思っていたら、なんと自動潅水機であるタカギの「かんたん水やりタイマー」が電池切れを起こしていました。
前回記録した10月16日以降のいつから電池が切れていたのか分かりませんが、幸いにも水の需要が少ない紅葉の時期だったため、自然の降雨だけでもブルーベリーたちは枯れていませんでした。
2019年2月に購入してから初めての電池交換ですので、電池の寿命は1年8ヶ月くらいですね。
2020年12月は休眠が始まっていた
ブルーベリーの様子
2020年12月25日,スパルタンは,紅葉が終わりほとんど落葉していました。
葉がなくなると枝が少ないので非常に寂しい苗になってしまいますね。
予想以上に冬剪定はほとんどする必要がないようです。
結果枝に注目してみると,花芽が多くて葉芽が少ないようです。
枝の本数が少ないのにこれだけ花芽が多いと成長を優先させるにはどこまで切り返し剪定をする必要があるのでしょうか。
翌シーズンもあまり成長が期待できなさそうです。
12月の管理内容
株元をきれいに掃除した
冬は病害虫の発生自体はありませんが,紅葉が終わった後の落ち葉がある場合,落ち葉と鉢土の間に潜んでいる場合があります。
そうなると病原菌や害虫が越冬してしまいますので,株元は常にきれいにしておく必要があり,落ち葉が残っている場合は掃除をしましょう。
我が家の庭では,庭植えのホームベルと鉢植えの接木ミスティを除く3系統10品種では,すでに一部が落葉しており,ご覧のとおり落ち葉がたくさんありましたので,株元の掃除をしました。
農薬のマシン油乳剤を散布した
カイガラムシ類を見つけましたので農薬としてマシン油乳剤を散布しました。
また,散布しているとシャクトリムシも発見しましたので試しにマシン油乳剤をかけてみたら駆除することができましたので効果があるようです。
12月の作業内容
2020年12月25日に冬の剪定をした
2020年12月25日,スパルタンに1回目の冬剪定をしました。
ただし,余分な枝がほとんどなく非常に寂しい苗ですので,冬剪定はほとんどする必要がありませんでした。
これ以上弱らないよう成長を優先させる必要がありますね。
花芽が多くて葉芽が少ないため,枝の根本付近にある葉芽まで切り返し剪定する必要があります。
間違っても花芽をたくさん開花させ,収穫してしまうと樹勢も弱くなる可能性がありますので,味見が出来る程度に花芽の調製が必要ですね。
剪定後の様子は以下のとおりです。
ほとんど不要な枝がないため,見た目にはほとんど変わりようがありませんでした。
これで翌シーズンに成長してくれたら良いのですが…
近づいて撮影してみると,不要な細い枝を剪定しただけですので,たくさんの花芽が残っていますね。
成長するために必要なスペースは十分ありますので,根元からのシュートや元気な枝がたくさん伸びてきて,11月には45cmナーセリーポットへ鉢増しできることを祈っています。
残った主軸枝の数,枝の数,花芽の数
今回の剪定で主軸枝の数,枝の数,花芽の数は以下のとおりです。
- 主軸枝…1本
- 結果枝…13本
- 花芽…60個
60個の花芽を残していますが,味見程度とするには少し多いですので,結果枝1本につき花芽を3個までとし,2月の剪定で花芽の数を25~30個程度に調整したいと思います。
まとめ
ブルーベリーの接木スパルタン(4年生)の2020年11月から現在までの最新の成長記録を紹介しましたが,いかがでしたか?
これまでの作業内容と,管理内容,栽培方針など気になる点は大体理解出来たかと思います。
2021年10月までは記事を更新していく予定です。
この記事を読んでみて,スパルタンを育ててみようと思って貰えたら幸いです。
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